DNAは情報か?

自己複製する(できる)こと自体を情報として取り扱うことに意義があるかもしれない。 だから、前回の議論で、 1・自己複製するためにはそのための装置が必要である、 2・その装置を作るための「情報」をDNAは持っていなければな…

概念と意味(概念の意味)

概念とは、かたち論的にいえば、「体系化した意味」だろうと思う。 「体系化した意味」とはなんだろう? 体系そのものに意味はない、なぜなら意味とはすべからく相対的であらねばならないからだ。 すなわち、意味付けされるためには上…

情報 その3

情報は時間を越えて伝達可能な何かとする。 さて、そこに意味は必要だろうか? もちろんこれは前回の議論とまったく同じ話である。 すなわち、他の何かを作るための「情報」とすれば それは必然的に意味を持たざるを得ない。 この視…

情報 その2

前回、「何が情報という概念をになっているのか?」と疑問を呈した。 しかし、お分かりの通り、この疑問自体が意味をなしていない。 すなわち、この疑問に答えようとするならば情報をになうものは物質でなければならないからだ。 だか…

情報

西川先生はいつ情報が生まれたのかを知りたいとおっしゃっている。 では、情報って何だろう? これがわからない。   いくつかの切り口が思い浮かぶ。 最初に考えたいのは色即是空についてである。 しかし、その前に屁理…

普遍と多様

生きものがある分類群に分けられるとするならば その分類群に普遍な形づくりの仕組みがなければならないと思う。 普遍な仕組みがなければ分類「群」にはならずただただバラバラな多様性しか生じない。 でも、その普遍な仕組みさえ踏襲…

文系?理系?

文系と理系の違いについて話になった。 日本語で言う「文系」「理系」はかなり極端な意味になるので ここでは議論するのが難しいが、 これを「社会科学」「自然科学」とすれば問題は分かりやすくなる。 では、両者の違いは何だろうか…

無常

日本は遅れているなどと語る評論家を頻繁に見る。 あるいは「憲法9条は世界より何周も先を行っている」と語る人もいる。 個別の議論について、個人的な意見は当然あるのだが、 まあここで議論するつもりなどまったくない。 &nbs…

概念

先日、軸性について議論をしている時にふと思ったことである。 カエルやトリでの組織の動き、具体的には原腸形成運動、について話している時に、 カエルなどではすでに軸性を胚が持っているので動く方向が定まるが、 マウスではこの時…

意味と記号

人は意味を持ったものしか認識できない。 この「意味を持ったもの」を記号と呼ぶ。 まあ、こういう表現はよく登場する。 だから「意味を持ったものしか情報にはなり得ない」ってのは 普通に考えて疑問の余地はなさそうに思う。 &n…

ゲノムとゲシュタルト

形の収斂でも書きましたが、 ゲノムがゲノムとして成立する時に必然的に持つであろうゲシュタルトが 生きもののかたちとして具現化すると大まかには思っていますので、 ゲノム=情報という図式がまったく受け入れられないのです。 極…

ゲシュタルトの概念

先日この欄で、西川先生の「情報」とは橋本の「意味」であろうと議論した。 何でも良いのだが、たとえば塩基が配列として並んでいるだけでは情報ではない。 アミノ酸も単体では情報ではない。 しかし、それが形をなし働きをもつと情報…

形の収斂

自然淘汰圧は形ではなく働きにかかる。 では、生き物の形が似ているのは、すべての形に何らかの機能があることを指すのか? 論理的に考えると淘汰圧は何らかの機能にしかかかり得ない。 ダーウィンフィンチのくちばしだってそうだし、…

DNAと情報

基生研・東大行脚も終わり戻ってきました。 少し収穫がありました。   さて、4月から新しく顧問にご就任の西川先生とお話しした。 彼は、DNAがどのように情報になったのか?の研究をしたいとおっしゃる。 しかし、以…

内部淘汰と外部淘汰

これについては様々な説明をしてきたが 説明する側としてもなかなか明確に言えていないと感じる。 そこで、普段ことばで言っているが書くとマズいかなと思っていることを書いてみる。   外部淘汰とはそのまま自然淘汰と考…