形態アトラクタ
もう三十年近く以前、脊椎動物の咽頭胚の構造を倉谷さんが「形態アトラクタ」と呼んでいました。今でいう「発生の砂時計モデル」のボトルネックの部分のように、形づくりの過程でどうしてもこの形態に吸い寄せられる、この形態を通らない…
初期胚における外胚葉
三胚葉は原腸形成運動によって作られる。それは脊椎動物の原腸形成運動の定義でもある。ということは、三胚葉は原腸胚以前には存在しないはずである。 しかし、私たち「カエル屋」は胞胚に三つの胚葉を見る。胞胚腔の屋根の部分は外胚葉…
高校生の研究 その2
「対照実験なしの研究」について書きました。その原因は「知識不足」ではなく「論理的思考の欠如」だと考えました。 ここで少し思ったのですが、この手の議論ってただただ論理的思考の問題なので、理科の知識が必要なものではありません…
高校生の研究
2・3月と高校生の研究発表を見せていただきました。 こちらにも書きましたが、対照実験が考えられていないのがものすごく気になりました。橋本は学生と議論する時に「対照実験は?」としつこく聞きます。対照実験なしに何をどのように…
思考実験
科学哲学の講義の最初に、ポール=ワイスの「思考実験」について話します。数年前に東大の内部での試験にも出題された問題です。東大生の8%しか正解できなかったそうですが、何を持って正解としたのか興味があります。というか、「正解…
実験 その2
さて、研究者をやっていて感じるのは、優秀な研究者は必ず好奇心旺盛だってことでしょう。優秀な学生も好奇心旺盛です。だから、「面白い」と思ってもらえることもまた理科を好きになる一つの動機だろうと思います。子供が好きで理科が好…
実験
研究者をやっている、あるいは志す、動機は人それぞれだと思います。私は発生学、特に時間と共に形が変わっていく様子に心を惹かれことが大きいです。だから、他の人も同じものを見て同じように興味を持ってもらえるとどうしても考えてし…
淘汰
淘汰という考え方が進化を考える上での基本だろう。だから、その生命現象にどのような淘汰圧がかかっているかを考えることが、進化は言うに及ばず現存する生物の現象を考える上で最も重要だと思う。 淘汰という概念よりも選択という概念…
高校生の研究発表
2月3月と、高槻高校と長田高校の生徒さんたちによる研究発表会に参加させていただきました。いろいろと感じるところがありました。 両方の学校で感じたのは、自由な発想で考えることができていないのではないか?ということ。これはお…
総合的な探究の時間最終成果発表会
本日は、兵庫県立長田高校での「総合的な探究の時間最終成果発表会」に参加してきます。今回が初めての参加になりますので全体像が見えていませんが、高校生が頑張った成果をお聞きすることになるので楽しみにしております。どんな様子だ…
単元またぎ
静岡県教員研修会へ先週の金曜日に行ってきました。どの先生も真剣にご覧くださってとてもいい時間を過ごせたと思っています。 さて、今回は少し遅れてお越しの先生が数人いらっしゃるとのことで、これまで「考える会」で行なってきたこ…
遺伝研セミナー
15日(木曜日)は国立遺伝研でセミナーをさせていただく。橋本の研究生活も最後というわけで、副所長の仁木さんからお誘いいただいた。 何を話そうかといろいろ考えたのだが、3つくらいのテーマをオムニバスで話すことにした。細かい…
講演・・・冷や汗
昨年11月に行なった「最終レクチャー」の映像をDVDに焼いてくれたのでこの週末に観た。そして驚いた。 むずかしい・・・・・。 お客様はよくこんなものを聞かされて寝なかったなと本当に感じた。実際に、当日のお客様は皆さましっ…
個人研究
タイトルにはいつも悩みます。センスないなあといつも思いますが、適切なのが思いつかないのだから仕方ない。ここで書きたいのは「個人研究」に直接関することではありませんので、悪しからずご了承ください。 私は個人的に面白いと思う…
お約束
未就学児に手品を見せて驚かせるという番組を見た。期待を裏切って子供たちはまったく驚かなかった。それをみて、「そらそうだよな」と感じた。 驚くためには、それを驚きと感じるための「前置き」「あるいは共通認識」がなければならな…
最近のコメント