思考実験

科学哲学の講義の最初に、カール=ポパーの「思考実験」について話します。数年前に東大の内部での試験にも出題された問題です。東大生の8%しか正解できなかったそうですが、何を持って正解としたのか興味があります。というか、「正解…

実験 その2

さて、研究者をやっていて感じるのは、優秀な研究者は必ず好奇心旺盛だってことでしょう。優秀な学生も好奇心旺盛です。だから、「面白い」と思ってもらえることもまた理科を好きになる一つの動機だろうと思います。子供が好きで理科が好…

実験

研究者をやっている、あるいは志す、動機は人それぞれだと思います。私は発生学、特に時間と共に形が変わっていく様子に心を惹かれことが大きいです。だから、他の人も同じものを見て同じように興味を持ってもらえるとどうしても考えてし…

淘汰

淘汰という考え方が進化を考える上での基本だろう。だから、その生命現象にどのような淘汰圧がかかっているかを考えることが、進化は言うに及ばず現存する生物の現象を考える上で最も重要だと思う。 淘汰という概念よりも選択という概念…

高校生の研究発表

2月3月と、高槻高校と長田高校の生徒さんたちによる研究発表会に参加させていただきました。いろいろと感じるところがありました。 両方の学校で感じたのは、自由な発想で考えることができていないのではないか?ということ。これはお…

総合的な探究の時間最終成果発表会

本日は、兵庫県立長田高校での「総合的な探究の時間最終成果発表会」に参加してきます。今回が初めての参加になりますので全体像が見えていませんが、高校生が頑張った成果をお聞きすることになるので楽しみにしております。どんな様子だ…

単元またぎ

静岡県教員研修会へ先週の金曜日に行ってきました。どの先生も真剣にご覧くださってとてもいい時間を過ごせたと思っています。 さて、今回は少し遅れてお越しの先生が数人いらっしゃるとのことで、これまで「考える会」で行なってきたこ…

遺伝研セミナー

15日(木曜日)は国立遺伝研でセミナーをさせていただく。橋本の研究生活も最後というわけで、副所長の仁木さんからお誘いいただいた。 何を話そうかといろいろ考えたのだが、3つくらいのテーマをオムニバスで話すことにした。細かい…

講演・・・冷や汗

昨年11月に行なった「最終レクチャー」の映像をDVDに焼いてくれたのでこの週末に観た。そして驚いた。 むずかしい・・・・・。 お客様はよくこんなものを聞かされて寝なかったなと本当に感じた。実際に、当日のお客様は皆さましっ…

個人研究

タイトルにはいつも悩みます。センスないなあといつも思いますが、適切なのが思いつかないのだから仕方ない。ここで書きたいのは「個人研究」に直接関することではありませんので、悪しからずご了承ください。 私は個人的に面白いと思う…

お約束

未就学児に手品を見せて驚かせるという番組を見た。期待を裏切って子供たちはまったく驚かなかった。それをみて、「そらそうだよな」と感じた。 驚くためには、それを驚きと感じるための「前置き」「あるいは共通認識」がなければならな…

思考と嗜好(目的論)

生物の進化を考える際に目的論は徹底的に排除される。それが新ダーウィン主義の考え方だろう。エーデルマンは神経ダーウィン主義を提唱したがそこに目的論はない。要するに「〇〇するために変異する」のではなく、「変異した結果(淘汰さ…

思考と嗜好(羊膜類)

羊膜類が誕生するときにも卵黄が大きな役割を演じていると私たちは考えている。卵黄が一定水準を超えて卵に蓄積されると、卵は細胞としての振る舞いを行なえなくなる。端的に言えば、油が邪魔をして細胞分裂ができなくなるのだ。そうする…

思考と嗜好(原索動物と脊椎動物)

脊椎動物の出現を考えるとき、卵黄の獲得が大きな意味を持つと考えている。卵黄の獲得により卵が巨大化した。卵が大きくなると細胞分裂の回数が増えなければ、細胞運動可能なサイズの細胞を持つことができない。原索動物(無脊椎動物)は…

思考と嗜好(ゲノムと淘汰圧)

中立的に物事を見ることがなかなか難しい。論理的に思考している時でも、「論理的」だから公平中立に考えられているのかと言えばそれは違う。私たちの考え方には、生まれ育った環境に依存する癖がある。言語が論理に影響することは何度か…