ソーカル事件

西川先生は、多方面の学問領域の人間を動員してゲノムの話を展開しようとしている。 この気持ちは本当によくわかる。 私にも西川先生並の行動力があれば同じことをやってみたいと思うし、 以前に行なった「かたちまつり」なんてイベン…

ゲノムと環境

自然淘汰の考え方ではゲノムの変異を環境が選択するように読める。 まあこれはおそらく間違えてはいないだろう。 しかし、同一ゲノムであっても環境要因により表現型は変化する。 これがその後のゲノムの変化に影響を与えうるのか?と…

変なタンパクができると・・・

ある種の確率でタンパク質を合成できる配列(プロモータ含む)はできる。 だから、一時期にぎわったような「機能性ペプチド」みたいなものが 発生に何か重要な役割をしているってことになるんだろうけど、 まあ、たまたま偶然にできた…

ゲノムとゲシュタルト

形の収斂でも書きましたが、 ゲノムがゲノムとして成立する時に必然的に持つであろうゲシュタルトが 生きもののかたちとして具現化すると大まかには思っていますので、 ゲノム=情報という図式がまったく受け入れられないのです。 極…

ゲシュタルトの概念

先日この欄で、西川先生の「情報」とは橋本の「意味」であろうと議論した。 何でも良いのだが、たとえば塩基が配列として並んでいるだけでは情報ではない。 アミノ酸も単体では情報ではない。 しかし、それが形をなし働きをもつと情報…

形の収斂

自然淘汰圧は形ではなく働きにかかる。 では、生き物の形が似ているのは、すべての形に何らかの機能があることを指すのか? 論理的に考えると淘汰圧は何らかの機能にしかかかり得ない。 ダーウィンフィンチのくちばしだってそうだし、…

DNAと情報

基生研・東大行脚も終わり戻ってきました。 少し収穫がありました。   さて、4月から新しく顧問にご就任の西川先生とお話しした。 彼は、DNAがどのように情報になったのか?の研究をしたいとおっしゃる。 しかし、以…

内部淘汰と外部淘汰

これについては様々な説明をしてきたが 説明する側としてもなかなか明確に言えていないと感じる。 そこで、普段ことばで言っているが書くとマズいかなと思っていることを書いてみる。   外部淘汰とはそのまま自然淘汰と考…

ゲノム論をまとめる

ゲノム論をまとめるために始めたブログも、 何もまとまらないままに時間だけが過ぎています。 で、ゲノムの定義と言っては言い過ぎでしょうが ゲノムとはどう考えるべきものかについて橋本の考えを少しまとめておきます。 とは言うも…

かたちか情報か・蛇足

養老孟司は、個体発生とは進化を行なっているのだといった。 多細胞生物、特に細胞ごとに機能分化が進んだ生きものは 子孫を作るのに単純な「分裂」を行なわない。 その理由としてかかるエネルギーの問題を上げていた。 要するに、詳…

とはいうものの

  先日の「もう少し・かたちか情報か?」では遺伝子とゲノムの概念的な違いを論じた。 でも、「こう考えたらこうなった」くらいの意味に過ぎないのはお分かりいただけるだろう。 先の文章は、ゲノムの扱い方があまりに乱暴…

かたちか情報か、それとも他の何かか?

  ゲノムの変化を考えると普通に感じることですが、 変化の「変わり目」ってところが不思議な思いがします。 それは普通に発生や遺伝を考えても同じことですが、 ゲノムに変異が入った時に、そのゲノムが最初に出会う環境…

あらためて・かたちか情報か?

私は「砂時計」ではなく「壷」モデルを提唱している。 卵から卵への発生過程を砂時計風に見立てるのではなく、 咽頭胚から咽頭胚への発生過程を壷型に見立てて考えようということである。   この根拠は、発生学的見地から…

おまけで・かたちか情報か?

「多重の拘束が一挙に同時に出現」するのであれば、既に もし、時間差があると、「他の代謝経路を止めること」とはならず、「かたちの共通さを保存する」必然性は薄まるからです。クエン酸回路の構成要素が二重三重の経路や回路に重複し…

もう少し・かたちか情報か?

ご無沙汰しております。 先日のいまいさんからのコメントをきっかけに少し考えているのですが、 (https://hashimochi.com/archives/6253/comment-page-1#comment-221…