生きものの論理 その1

私は生命の論理はゲノムであると考えているのだが、 こう考えると一般的なゲノムの意味合いと異なるかもしれないので、 あえてこのことを主張するつもりはない。   さて、生きものの論理を考えることと生物を研究すること…

ゲノムの方法論ー続き

昨日の話の続きです。 まあ蛇足に近いかな?   結局、思考で何かを求めるためには そこには論理的な因果関係がなくてはならない。 思考の方法論は論理であるからである。 で、たとえばコンピュータプログラムを走らせた…

続ノックスマシン、またはゲノムの方法論

先日に引き続き法月綸太郎の「ノックスマシン」から話を始めます。 この書籍の内容を楽しめるにはかなりの予備知識が必要だと思います。 私は小学校の頃から推理小説を読んでいました。 それほど体系づけて読んでいたわけではありませ…

ノックスマシン

法月綸太郎のノックスマシンを読んだ。 なんじゃこれは? これを誉め讃えている人の脳はどうなっているのだろう??? などと真面目に思った。 SFと言われればもう何も言えない。 しかし、なんというのだろう、 訳の分からない難…

ゲノムと遺伝子

さて、心経の続きです。   体系なくして要素が存在しないと考えたとき、 ゲノムなくしては遺伝子の存在すらあり得ないこととなります。 遺伝子単体が意味を持たないというのは分かりますが、 その存在すら疑わしくなると…

DNAは情報か?

自己複製する(できる)こと自体を情報として取り扱うことに意義があるかもしれない。 だから、前回の議論で、 1・自己複製するためにはそのための装置が必要である、 2・その装置を作るための「情報」をDNAは持っていなければな…

普遍と多様

生きものがある分類群に分けられるとするならば その分類群に普遍な形づくりの仕組みがなければならないと思う。 普遍な仕組みがなければ分類「群」にはならずただただバラバラな多様性しか生じない。 でも、その普遍な仕組みさえ踏襲…

ゲノムの支配

進化に対してゲノムの支配というのか影響というのか、 とにかくゲノム方向からの効果がどれだけ支配的なのであろうか? 私のいつも通りの考え方から言えば、 ゲノム主導の影響というのはきわめて小さいように思う。 この言い方は誤解…

淘汰圧

淘汰圧を、外部淘汰と内部淘汰に分けて考えている。 外部淘汰は言わずとしれた自然選択である。 わたしは、外部淘汰の淘汰圧はそれほど大きくないのではないかと考えている。 それはもちろん内部淘汰と比較しての話である。 DNAへ…

発生拘束

ゲノムの変化がすべてであるというのは一義的には正しい。 しかし、ゲノムの変化は間違いなく発生現象の拘束を受けている。 たとえば「このかたちを経なければならない」という拘束がある場合に、 そのかたちを経る限りにおいていかな…

進化と意味付け3

「進化(変化)はさほど容易には起こりえない」と昨日結んだ。 では、カンブリア爆発の時になぜあれほどまでの変化が許容されたのかである。 これはいままでに何度も議論してきたことなのだがあらためて書いておく (https://…

進化と意味付け2

さて、私はひとつの突然変異で進化が起こるとは原則として考えていない。 その理由は昨日の議論と同じである。 ひとつの突然変異というのは日常的に頻繁に起こりうる。 では、日常的に目に見えて進化が繰り広げられているのかといえば…

進化と意味付け1

進化に理由など必要ないと私は常々言い続けている。 もちろんケースバイケースであるのだが、 何万年に一度、場合によったら何百万年や何千万年に一度、 もっと極端な場合には何億年に一度しか起こっていない現象の理由は 「偶然であ…

概念

先日、軸性について議論をしている時にふと思ったことである。 カエルやトリでの組織の動き、具体的には原腸形成運動、について話している時に、 カエルなどではすでに軸性を胚が持っているので動く方向が定まるが、 マウスではこの時…

意味と記号

人は意味を持ったものしか認識できない。 この「意味を持ったもの」を記号と呼ぶ。 まあ、こういう表現はよく登場する。 だから「意味を持ったものしか情報にはなり得ない」ってのは 普通に考えて疑問の余地はなさそうに思う。 &n…