ゲノムと環境

自然淘汰の考え方ではゲノムの変異を環境が選択するように読める。

まあこれはおそらく間違えてはいないだろう。

しかし、同一ゲノムであっても環境要因により表現型は変化する。

これがその後のゲノムの変化に影響を与えうるのか?という問題が私には生じる。

ちょっと考えたら「獲得形質の遺伝」のようにも読めるが

もちろんそういう意味ではない。

 

たとえば環境要因により外部形態が変化すれば、

同じゲノムを持つものであっても互いに交雑できない可能性があり、

ここで物理的隔離にも似たことが起きるだろう。

だから消極的な意味でのゲノムの変化は環境要因によっても起こりうると思う。

 

だが、もっと積極的に環境がゲノムに影響できる可能性はないのだろうか?

たとえば、環境ホルモンってのはどうだろう?

これにより生殖巣の形成に変異が起こるとすれば、

同じゲノムを持っていても異なる形態をとり、

同じ環境にいる限りその変異は子孫へと受け繋がれるだろう。

 

たとえば、まったく同じゲノムを持っている生きものが

地球の別の環境におかれた場合に異なる発生様式をとり、

そこから全く別の生きものになるということは、

同じ生きものが地理的な隔離を経て別の種になることとは

決定的に異なることであろうと私は思うのだが、

考え過ぎなのだろうか???