卵黄

先の「かたちまつり3」はいろいろと考えるネタがあり良い集まりだった。 その中で熊野さんの「卵黄の問題」が頭に残った。   私は、原腸胚での細胞数の多さが脊椎動物出現の原動力になったのではないかと考えている。 も…

ゲノムの支配

進化に対してゲノムの支配というのか影響というのか、 とにかくゲノム方向からの効果がどれだけ支配的なのであろうか? 私のいつも通りの考え方から言えば、 ゲノム主導の影響というのはきわめて小さいように思う。 この言い方は誤解…

発生拘束

ゲノムの変化がすべてであるというのは一義的には正しい。 しかし、ゲノムの変化は間違いなく発生現象の拘束を受けている。 たとえば「このかたちを経なければならない」という拘束がある場合に、 そのかたちを経る限りにおいていかな…

進化と意味付け3

「進化(変化)はさほど容易には起こりえない」と昨日結んだ。 では、カンブリア爆発の時になぜあれほどまでの変化が許容されたのかである。 これはいままでに何度も議論してきたことなのだがあらためて書いておく (https://…

進化と意味付け2

さて、私はひとつの突然変異で進化が起こるとは原則として考えていない。 その理由は昨日の議論と同じである。 ひとつの突然変異というのは日常的に頻繁に起こりうる。 では、日常的に目に見えて進化が繰り広げられているのかといえば…

進化と意味付け1

進化に理由など必要ないと私は常々言い続けている。 もちろんケースバイケースであるのだが、 何万年に一度、場合によったら何百万年や何千万年に一度、 もっと極端な場合には何億年に一度しか起こっていない現象の理由は 「偶然であ…

脊椎動物の原腸形成とは?

ツメガエルとイモリの解析から、 両生類の原腸形成機構はこういうものだろうと分かったように思う。   さまざまな動物の原腸形成運動の絵を表から見たり裏から見たり断面で見たりして考えている。 同じ切り口で見ていたら…

進化の説明

以前から思っていたことなのだが、 進化機構の説明、たとえばキリンの首がなぜ伸びたかなどについて、 あまりにもっともらしい説明をし過ぎているように思ってならない。 もっともらしい説明が悪いとは思わないのだが、 一部の説明を…

ゲノムと環境

自然淘汰の考え方ではゲノムの変異を環境が選択するように読める。 まあこれはおそらく間違えてはいないだろう。 しかし、同一ゲノムであっても環境要因により表現型は変化する。 これがその後のゲノムの変化に影響を与えうるのか?と…

変なタンパクができると・・・

ある種の確率でタンパク質を合成できる配列(プロモータ含む)はできる。 だから、一時期にぎわったような「機能性ペプチド」みたいなものが 発生に何か重要な役割をしているってことになるんだろうけど、 まあ、たまたま偶然にできた…

形の収斂

自然淘汰圧は形ではなく働きにかかる。 では、生き物の形が似ているのは、すべての形に何らかの機能があることを指すのか? 論理的に考えると淘汰圧は何らかの機能にしかかかり得ない。 ダーウィンフィンチのくちばしだってそうだし、…

内部淘汰と外部淘汰

これについては様々な説明をしてきたが 説明する側としてもなかなか明確に言えていないと感じる。 そこで、普段ことばで言っているが書くとマズいかなと思っていることを書いてみる。   外部淘汰とはそのまま自然淘汰と考…

ゲノムと個体発生

このところよく似た文章を書いています。 というか内容的にはほぼ同じといっても良いかも知れません。 その理由は単純明快で、 「こういうこと」をずっと考えているからです。   ゲノムは情報ではないという立場を私は取…

個体発生を研究すること

今週はDNA・ゲノムに始まり、生物種から個体発生へと議論を進めてきた。 ややもすれば無理矢理感のある話の進め方だったのだが、 これはこれで目的があったのでご容赦願いたい。 もちろん、これらの話の一つ一つを丁寧に掘り下げれ…

発生現象と生物種

さて、ゲノムDNAを後世に残すための装置として個体発生過程を考えると、 もちろん、なんらかの決定的な違いによって生じる種分化と、 それを形づくる個体発生過程の関連に思いをはせることとなる。 これは逆に考えると個体発生過程…