卵黄

先の「かたちまつり3」はいろいろと考えるネタがあり良い集まりだった。

その中で熊野さんの「卵黄の問題」が頭に残った。

 

私は、原腸胚での細胞数の多さが脊椎動物出現の原動力になったのではないかと考えている。

もちろんそれだけがすべてだと主張をするつもりはないが、

かなり大きな意味を持っていたのではないかと考えているわけである。

その際に、細胞数が増える(二ケタほど変わるくらいに)理由として

「細胞分裂回数を制御する機構に突然変異が入り・・・」としていた。

しかし、今回の指摘でよくよく考えてみると

この私の想定は明らかに間違えている。

というのも、この細胞分裂は卵割のひとつの流れと見られるべきものであり、

基本的には細胞分裂によって細胞は小さくならざるを得ないはずである。

しかし、たとえばナメクジウオとツメガエルの原腸胚での細胞の大きさが

100倍も違ってるとは到底思えない。

とすれば、出発点の大きさを変化させるしかないではないか。

 

複雑な身体を作るには時間がかかる。

その間の栄養を卵の中に持っていなければ発生は進まないだろう。

そうすれば、元の卵の大きさは当然大きくなってしかるべきである。

その大きくなる原因はすべからく卵黄によると考えるのは間違えていないだろう。

おそらく最も原始的な脊椎動物は細胞の中に卵黄を持っていたと想像できる。

卵黄を、燃料カセットのように胚から切り離したのは

かなり特殊化してからだろうと推測できるからである。

原始的な魚は(というより真骨魚類意外の魚は)両生類のような発生をとるようだ。

すると、細胞としての卵の嵩は増し、

そこから分裂によって形態形成運動が可能なくらいの細胞の大きさにまで小さくするためには

かなりの回数の分裂を必要としただろう。

分裂が一回起これば細胞数は二倍になるわけで、12回の分裂で細胞数は4千を超える。

実際に両生類では12回分裂した時点では細胞はかなり大きく、

その後に数回分裂をした後に原腸形成運動が起こる。

 

まあ、このような思考を進めると、

単に細胞数の問題だけにとどまらず、

卵黄(=栄養)の獲得が系統発生に与える意味の問題も含むこととなろう。

おそらくは、ポリプテルスやハイギョ・シーラカンスなど

理屈から考えれば、「カエル型」の原腸形成をする脊椎動物が先にあり、

細胞数の増加というイベントを固定化した後に、

真骨魚類、あるいは羊膜類などの卵黄を胚体外においた発生をする脊椎動物が出現したのかもしれない。

 

ちょっと、考え直してみよう。