偶然と必然

現存するすべての生物の存在は必然である。 偶然によって生じた変異のほとんどは 内部淘汰を経たあとで残り得るものではない。 その中で、ある特定の「遺伝子同士の閉じた関係性」を 天文学的に低い確率で形成できたからこそ 生物と…

普通の人に話す

私が勤務している「生命誌研究館」というところは、 大学で勤めていた時と同様に 研究をし論文を書くのが主な仕事ですが、 ここならではの仕事もあります。 それは、研究とは無縁の方達にお話しする事です。 研究館でレクチャーをす…

予備審査

研究室には阪大の大学院生がいます。 ナガトモカンタローくんもその一人で、昨日、博士学位申請の予備審査を受けました。予備審査というのは阪大だけのシステムなのかどうか知らないのですが、少なくともこちらに来て初めて出会ったもの…

文献

最近、古典的な実験を考えている。そして研究の方向性を決めるために古い文献にあたっている。過去の偉人が行なったさまざまな結果を考察し、現在私たちが持っている結果と照らし合わせ、また、私たちが独自に考えているモデルの整合性を…

イモリ

イモリの実験をしようと画策中です。 一つのアイデアがあって、オーガナイザーの本態に迫れるのではないか?との野望を持っています。で、この実験にはツメガエルよりはイモリの方が断然使いやすいので、いままで触ったこともないイモリ…

結婚式

先週は、月曜から水曜日まで博多で学会に参加し、木曜日は持病の検査で病院に、金曜日は研究の議論で川崎医大(倉敷市)、土曜日は私の研究室を出た学生の結婚式で広島と、体力的にものすごくハードな一週間だった。 結婚式だが、いまま…

発生生物学会

5月28日~30日に博多で行なわれた発生生物学会に参加しました。 毎度のことながら、遺伝子ネットワークとプロモーターの発表が多く、個人的にはほとんど面白くなかった。私は、分子生物学は細胞の中で閉じる学問だと思っています。…

セミナー

金曜日にバージニア大学の荻野肇くんのセミナーを開いた。 荻野くんは遺伝子の発現制御機構から発生について考えている第一線の研究者で、なかなか面白い研究を聞かせて頂いた。そこで思ったことは、方法論の違いを超えて、というか思考…

発生学とは

発生学とは、形がどのようにできるのかを調べる学問である、と言ってしまっても良いのだろうか?私はもちろんこれで構わないし、おそらく近藤滋さんもこの意見に賛成していただけるだろうが、一般的に見て発生学の研究をしている人たちが…