思考と嗜好(目的論)
生物の進化を考える際に目的論は徹底的に排除される。それが新ダーウィン主義の考え方だろう。エーデルマンは神経ダーウィン主義を提唱したがそこに目的論はない。要するに「〇〇するために変異する」のではなく、「変異した結果(淘汰さ…
思考と嗜好(羊膜類)
羊膜類が誕生するときにも卵黄が大きな役割を演じていると私たちは考えている。卵黄が一定水準を超えて卵に蓄積されると、卵は細胞としての振る舞いを行なえなくなる。端的に言えば、油が邪魔をして細胞分裂ができなくなるのだ。そうする…
思考と嗜好(原索動物と脊椎動物)
脊椎動物の出現を考えるとき、卵黄の獲得が大きな意味を持つと考えている。卵黄の獲得により卵が巨大化した。卵が大きくなると細胞分裂の回数が増えなければ、細胞運動可能なサイズの細胞を持つことができない。原索動物(無脊椎動物)は…
思考と嗜好(ゲノムと淘汰圧)
中立的に物事を見ることがなかなか難しい。論理的に思考している時でも、「論理的」だから公平中立に考えられているのかと言えばそれは違う。私たちの考え方には、生まれ育った環境に依存する癖がある。言語が論理に影響することは何度か…
進学校での講演(後編)
今回は、実験事実から仮説を考え、それを検証してみようといういつもの試みだが、今回ある種の手応えを掴めたら他にも試してみたいことがある。新たな機会を頂戴できた時などに橋本が考えた思考的な問題に取り組んでもらいたいのだ。過去…
進学校での講演(前編)
3月に兵庫県の進学校で講演させていただく機会をいただいた。ここの読者の方にはお分かりいただけるように、講演といっても一方通行ではなく主体的に考えていただく内容である。基本的にはこれまでの「考える会」でやってきたことなのだ…
山は動きかけているのか?
この数ヶ月の間に何本か外国からメールをもらいました。若手の研究者からで、「両生類の原腸形成過程が従来言われていたのとは異なり羊膜類のそれに相同であるという結論を得たが、調べてみたらお前(橋本)がずっと昔から主張してきたこ…
刷り込み
赤ちゃんの脳には大人の1億倍以上の神経ネットワークがあると書いた。そして、その神経ネットワークは、すべての能力を潜在しているものであり、発育と共に不要なネットワークが消失していくのかもしれないという議論をした。言語で例え…
カエルの水槽
昨日、カエルの水槽一式を運び出しました。この水槽は、私がアメリカから帰ってきて京大ウイルス研でお世話になる時に業者の人と二人三脚で作ったものです。その後、この業者はこの水槽を販売しました(今ではもう売っていないそうですが…
探究授業終わりました
探究授業と「考える会」は問いかけをして皆で議論し一応の解を得て次に進むという行為の繰り返しなので、進行はほとんどその時の聴衆に依存するわけで、こちらの準備とはまったく関係のないところで止まったり、全く違う方向へと動き始め…
探究授業
今日は龍谷大学附属平安校で探究授業をしてきます。 教員と行なってきた「考える会」をベースにして生徒さん向けにアレンジを施したものです。時間的な制約もあるので、先生方とは違って生物学の基礎知識をあまり持っていない生徒さん達…
「最後のレクチャー」終わりました
昨日は高校時代の友人が来てくれたり、なぜだか倉谷滋さんが来てくれたり、もっとなぜだか館長顧問が聞きに来てくれたりと人数的には大盛況でした。お越しくださった皆さま、どうもありがとうございました。 終了後に倉谷さんと食事に行…
「最後のレクチャー」は本日です!
本日、橋本の最終レクチャーがあります。最後なので「お楽しみ記念グッズ」の抽選会もします。と言うと、すごいものを期待されるかもしれませんが実際はかなりしょぼいです。研究室を掃除していた時に発掘した化石のようなものたちです。…
オーガナイザー(形成体)
シュペーマンとマンゴルトのオーガナイザーの論文から来年で100年だ。ということで、オーガナイザーに関する雑感。 オーガナイザーとは、「完全な頭部を含む背側体軸の形成を誘導する活性を有する両生類の初期原腸胚の機能領域」くら…
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