高校生の研究発表

2月3月と、高槻高校と長田高校の生徒さんたちによる研究発表会に参加させていただきました。いろいろと感じるところがありました。

両方の学校で感じたのは、自由な発想で考えることができていないのではないか?ということ。これはおそらく、これまでに大人が作り上げてきた物差しに乗っかってしまっているのだろうと感じます。なんか「ええカッコ」しなきゃならないような気持ちに支配されているような気がしました。高校生の「研究」なんだから、それ自体に意味付けする必要など全くなく、どれだけ「論理的」に物事を考えることができたのか、何かの「常識」に捉われることなく、間違えていても良いから自分たちの発想でさまざまな議論をしたかというところに工夫が必要かなと思いました。

もう一つ、これは「論理的思考」にもつながるのですが、研究の基本が理解されていない。対照実験がほとんど考えられていないことが一番おおきいですが、その次に見られるのは「まず結論ありき」の思考が強い。実験や観察をして得られた何らかの結果は、それ自体が事実なので、そこからどう論理を展開させるかが重要なのですが、ここに予断が入ってくる傾向が強かったように感じます。

高校生に「研究」をしてもらうことの意味は、とにかく自分自身でじっくり考えること、そして友人や先生としっかり議論をすること、そのやり方を学ぶことだろうと思います。思考は論理的でなければなりません。こうあって欲しいといった予断が入ってはダメです。議論では、他人の意見を無批判に聞かなければなりません。自分の意見を感情的に主張したり、自分とは異なる意見を無理に排除しようとするのはダメです。これを身につけることで論理力は格段に上がります。論理的に考える習慣がつけば学習能力は絶対的に上昇します。

本当は、表現力を身につけてほしいと思います。わかりやすく表現することは論理的に考えることと同じです。「非論理」がわかりやすいはずはありません。表現力を身につける唯一の方法は日本語作文ですが、先生方ですらその教育を受けておりませんからこれからの課題かもしれませんが、自分の心に浮かんだことを正確に表現する技術を学ぶ時間を持てれば、中途半端な研究をさせるよりはよほど科学的・論理的に思考する能力は上がりますし、他の教科の学習効率も上がると感じます。

とはいうものの、いかんせん、先生方は忙しすぎますね。