高校生の研究 その2
「対照実験なしの研究」について書きました。その原因は「知識不足」ではなく「論理的思考の欠如」だと考えました。
ここで少し思ったのですが、この手の議論ってただただ論理的思考の問題なので、理科の知識が必要なものではありません。細かいことはわかりませんが、高校での「理科研究」ってやはり理科の先生方が中心になって進んでいるような気がします。でも、研究の議論に社会科や国語の先生が加わって、論理的な(素朴な)疑問を呈してあげれば研究は深まるでしょうし、理科の先生が思う「常識的」な展開ではない面白い方向へと進むのではないかと感じます。なにより、論理って日本的な「理数系」のものではなく、社会科学も自然科学も同じ「論理」を基軸としているわけで、そのあたりに気づけるのではないかと思います。また、論理力は言語力を基本にしていますので、国語の先生の参加は莫大な効果を生むようにも思います。
「文系科目」の先生が論理的に考えて素朴に疑問を呈することで、対照実験がないことに気づくでしょう。対照実験がなければ結果を正確に検証できないことを理解すると思います。「えっ。ちょっと待って。そこはなんでそんな議論になるの?」「こういう考え方もできるんじゃないの?」ってことを考えること、その積み重ねが研究でしょうし、そこが研究の最も面白いところだと思います。