年の瀬ですね
今年もあとわずかということで、読書の話を。 私はいま、周五郎ブームに入っています。 主に短編ばかりを、古本も含めて読みあさっていますが、 しばしば泣かされています。 通勤途中や飲み屋のカウンターで涙を流して恥ずかしい思い…
薦める
私は人に何かを滅多に薦めない方だろう。 友人に異性を紹介するなんて恐ろしくてできない。 自分の好きな何かを薦めるってのも、 それがたとえ相手から求められたことであっても なかなかしようと思わない。 その理由は単純明快で、…
先入観(あるいは奈良の大仏)
先日、「最後の一行」にまつわる雑感を書いた。 https://hashimochi.com/archives/4659 今回もそれにからむ話である。 「この本は最後の一行が面白いよ」と薦められて読んだら、 …
科学(あるいはミステリ)の嗜好
その場に存在するすべての要素がどう並ぶのか、 その関係性が五里霧中であるときに、 ものの見事に並べて見せるのが不可能犯罪型のミステリであろう。 対して、非常にきれいに(常識的に)並んでいる要素の関係性をいちど壊して、 ま…
ネタばらし
世界中の名作ミステリの謎解き本のようなものが読んでみたい。 ここだけを読めばそのミステリは表面的には語れるというダイジェスト版を。 しかし、ミステリの作家や愛好家はこれを非とする。 ネタばらしは彼らの道徳観では絶対にダメ…
再び、最後の一行
たまに、何かの解説本で「最後の一行がすごい」と書かれているものがある。 で、そこまで書かれる小説を読んでみたくなって手に入れる。 で、読んだのだけど、面白くなかった経験が多い。 もちろん、その「選者」と私の趣向の違いもお…
最後の一行
最後の一行が決め手の小説って理想的だけど、 まあ、「一行」にこだわるとそれほどはないかもしれない。 最後の段落とか最後から数頁くらいでどんでん返しがあれば 「最後の一行」としてもいいかとも思う。 で、ポプラ…
本格ミステリとは?、その2
先日、本格ミステリについて 「謎」があり「解決」があることだろうと思う、と書いた。 これはこれで大して異論はないと思うのだが、 実は、この「定義」に当てはまらないものでも 「本格」と思えて仕方ないものがたくさんある。 む…
マニアと素人(あるいは上達の度合い)
最近、講義や講演で人に話すことで悩んでます。 以前は、人に話すことが得意だったと思います。 一部の人からは研究館で一番説明が上手だと言われたこともありました。 しかし、最近ではどうも話すことが難しいと感じています。 話し…
本格ミステリとは?、その1
本格ミステリと呼ばれる小説ほど、 読者(あるいは作者も含めて)にとって定義の異なるものはないように思う。 四の五の言わず、とにかくトリックを見せてくれ!という人もいるだろうし、 トリックよりもプロットで脅かせて欲しいとい…
曲軒
周五郎は曲軒とあだ名されたが、 これは「へそまがり」という意味らしい。 あんな素直な物語を紡ぐ人がへそ曲がりとはいやはやなんとも面白い。 へそ曲がりだからこそ心の機微を繊細に写し取れたのだろうか? 風太郎の「人間臨終図鑑…
山本周五郎と山田風太郎
この二人を比べること自体が意味のないことかも知れません。 まあ、そもそもこのコラム自体が大した意味を持っていないと思いますので、 この辺りはご容赦のほどをよろしくお願いいたします。 ということで、このところ…
寒くなってきましたね
そろそろ鍋が恋しい季節になってきました。 今日は一人鍋でもしようかな。 お客様がお越しの時にはいろいろと手の込んだ鍋をします。 丸一日かけて煮出したトリガラスープをベースにしたコラーゲンたっぷりモツ鍋とか、 昆布・椎茸と…
本棚
自分の本棚を見られるのは恥ずかしいとよく言われています。 親しい友人も同じことを言います。 しかし、この感覚はあまり私には理解できません。 特に自慢できる本を読んでいるとは思えませんが、 恥ずかしいと思えるほど読書に思い…
時代小説
「切腹」の原作を読んで以来、 何となく時代小説、しかも短編を読んでいます。 いまは山本周五郎の「花杖記」です。 これまで時代小説をほとんど読まなかったのですが、 いやあ、上手いなあと感心すること仕切りです。…
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