山本周五郎と山田風太郎

この二人を比べること自体が意味のないことかも知れません。

まあ、そもそもこのコラム自体が大した意味を持っていないと思いますので、

この辺りはご容赦のほどをよろしくお願いいたします。

 

ということで、このところ好んで読んでいる山本周五郎と、

先日のコラムにも書いた山田風太郎の話です。

山本周五郎は、その文章に優しさを感じます。

生きていく上での希望って言うのかな、

なんだか人間の温かさを感じさせてくれます。

この世もそう捨てたものではないなあって台詞の一つも吐きたくなります。

対して山田風太郎ですが、現実の厳しさを教えてくれるように思います。

それも無情と言うかどこまでも絶望的な人間の性みたいなものです。

この世に生まれてきたことを恨みたくなるくらい

冷静に人間の負の部分を描き出しているように思います。

その中で、何か希望の一端でもつかもうと足掻いているような感じがします。

強いて言うなら周五郎は理想を持てと教え、

風太郎は醜い現実を直視せよと教える、

まあその違いなのだろうと私には思えます。

ただ、どちらも本物なのでしょう。

心にずしっと響きます。