進学校での講演(前編)

3月に兵庫県の進学校で講演させていただく機会をいただいた。ここの読者の方にはお分かりいただけるように、講演といっても一方通行ではなく主体的に考えていただく内容である。基本的にはこれまでの「考える会」でやってきたことなのだが、少し楽しみにしていることがある。

その地域でトップの高校で教えていた教員の方とお話しさせてもらったとき、「あまりに頭が良すぎて、自分が見透かされているような気がする」と言われていたのが印象に残っている。これまで高校生相手に「考える会」を何度か行なってきたのだが、おそらく「普通」の生徒さんが対象だった。だから、結論に至ることができるような一定の筋書きを考え、そのためのヒントを散りばめていたし、ゴールもかなり手前に設けていた。しかし、今回はそのヒントも基本的にはなくし、到達してもらいたいゴールもかなり先に設けてみたい。もちろん投げっぱなしにするつもりはない。状況に鑑みて適切なヒントは出そうと思うが、こちらが誘導するような形ではなくかなり自由度を上げて彼ら彼女らの考え方に任せてみたいと思っている。論理的に考えたら進むべき道は限られている。ただ、そこにあってさえ「遊び」の部分は存在する。その遊びを試してみたいのだ。