イモリ

イモリの仕事を進めています。 まずは遺伝子とり。 いま、イモリの遺伝子はほとんど分かっていないので、 ツメガエルで知られている特徴的な遺伝子をイモリでも取って来ようってことです。 で、次世代シークエンス技術のおかげで神経…

発生の砂時計モデル

先週の金曜日に阪大で開かれたセミナーに行ってきた。 神戸理研の入江さんが砂時計モデルについての話であった。 まったく新しい現代的な視点で砂時計モデルを切り取った方法に感心した。 詳細をここで書いても仕方ないので、ものすご…

パラダイムシフト

ツメガエルの原腸形成過程では中軸中胚葉はさかのぼらず、 逆に植物極を経て胚の腹側方向へ(すなわち後方へ)と伸びることは、 もう10年近く前に発表している。 私の論文では中学生にでもできるような実験で簡単に しかし疑う余地…

生物学の勉強

私たちが大学生の頃には決まった教科書がなかった。 発生学と銘打った教科書だけでも書店には何冊も並んでいたし、 同様のことは生理学にも生化学にも言えた。 また、教科書検定などあろうはずもないので、 教科書によって書かれてい…

細胞の社会

引き続き、かなり以前(8年前ですね)の文章です。 文体にも気になるところがありますし、 何となく修正をしてしまいそうになりますが、 そのまま載せておきます。   「細胞の社会」(2002,11,15) 「細胞の…

ゲノムの解読

今朝のニュースで、日本人のゲノムが初めて解読されたといっていた。 研究者仲間も日常的に「その生物はゲノムが分かっているの?」と聞くし、 「ゲノムが分かっている生きものの研究が進めやすい」なんて事もいう。   で…

遺伝子教?

海水浴前の近藤滋さんとのやり取りです。   近藤「せっかくだから、橋本研からの参加者もあってもよいかなあ、と思うのですが、いかがでしょうか?遺伝子が嫌いな(と言いつつ遺伝子を使った実験をしている)ラボどおし、波…

私は本当に発生学者?

もともとは生きものの形がどのように出来上がるのかについて 大きな興味を抱いてこの世界に入って来た。 そこに働くメカニズムの究明に心を躍らせ, 分子や遺伝子がどのようにかたち作りに貢献しているのかを知りたいと考えていた。 …

分泌因子とあいまいさについて

このところ,その細胞数の多さから分泌因子によるあいまいな誘導が必然的に生じ、 その結果として脊椎動物(神経堤など脊椎動物を規定する細胞群)が生じたのではないか? などという妄想を展開させています。 これは何も今に始まった…

細胞数とあいまいさ

かなやまさんの質問にあった「どれくらいの細胞数ならあいまいなものが出て来て、どれくらいならあいまいじゃなくなるかの線引き」・・・って話ですが, これは人間が数えて納得する話ではないと思っています。 こんなことを言えばそも…

脊椎動物と無脊椎動物6「誘導」

ここで視点を変えてみます。BMPなどの分泌因子が隣接する細胞群に働きかけてその運命を変えさせる現象を「誘導(embryonic induction)」と呼びますが,分子的に見るとこの現象は多くの多細胞生物で行なわれている…

宮田先生とソフトモデル

宮田先生のソフトモデルには共感する部分が多いと思っている。 しかし,宮田先生とお話しさせて頂くとどうも話が噛み合ないことがある。 その辺りを先日じっくりとお話しさせて頂いたのだが どうも,宮田先生のソフトモデルというのは…

脊椎動物と無脊椎動物5「個体発生における神経堤・プラコード・脊索前板の出現」

私たちの研究から、神経堤・プラコード・脊索前板の成立に必要な新しい分子機構が明らかとなって来ました。分子発生学の文脈では,元来,遺伝子の発現制御に注目して細胞の分化などを論じるのですが,私たちが見つけた現象は直接的にはこ…

脊椎動物と無脊椎動物4「増殖と分化」

古くから発生学の研究者は「増殖」と「分化」は互いに相反するものであると考えて来ました。その分子的な基盤はよくわかりません。私が分からないだけなので,実は既に良く分かっているのかもしれませんが,とにかく私は知りません。ただ…

脊椎動物と無脊椎動物3「個体発生における前適応」

あらゆる生きものにおいて様々な遺伝子の働きが解析されています。たとえば細胞外に分泌されて他の細胞の分化などに影響を与える分子,その分子を細胞膜上で受容してそのシグナルを核に伝えるしくみなど、脊椎動物以外にもショウジョウバ…