ジグソーパズル3

一般に突然変異はかなりの確率で起こっている。その都度に新しい生きものができないのは、高度に組み上がったジグソーパズルを崩して新たな模様にできる可能性がほとんどゼロだからなのだろう。だから、一つのピースに変異が入った場合に…

ジグソーパズル2

存在する生きものには、ひとまず遺伝子のジグソーパズル(すなわちゲノム)が出来上がっている。手持ちのピースを使って完全に「閉じた」かたちで全体が出来上がっている。しかし、突然変異などでピースの形が変わってしまったら、周囲の…

ゲノムとは何か?

ゲノムとは「染色体上の遺伝子が持つ全遺伝情報」と理解されているが、この表現だと遺伝子全てであると誤解されやすい。ゲノムとは、その種を形づくるための情報であり、ヒトゲノムとはヒトという種が成立する意味そのものとして捉えられ…

ジグゾーパズル

生きものとはジグソーパズルの完成品と考えたら面白い。 遺伝子はパズルのピース一つ一つ。しかし、普通のジグソーパズルと違う点が一つある。普通のジグソーパズルは完成図があってパズルができている。しかし、生きもののパズルには完…

偶然と必然

現存するすべての生物の存在は必然である。 偶然によって生じた変異のほとんどは 内部淘汰を経たあとで残り得るものではない。 その中で、ある特定の「遺伝子同士の閉じた関係性」を 天文学的に低い確率で形成できたからこそ 生物と…

文献

最近、古典的な実験を考えている。そして研究の方向性を決めるために古い文献にあたっている。過去の偉人が行なったさまざまな結果を考察し、現在私たちが持っている結果と照らし合わせ、また、私たちが独自に考えているモデルの整合性を…

イモリ

イモリの実験をしようと画策中です。 一つのアイデアがあって、オーガナイザーの本態に迫れるのではないか?との野望を持っています。で、この実験にはツメガエルよりはイモリの方が断然使いやすいので、いままで触ったこともないイモリ…

発生生物学会

5月28日~30日に博多で行なわれた発生生物学会に参加しました。 毎度のことながら、遺伝子ネットワークとプロモーターの発表が多く、個人的にはほとんど面白くなかった。私は、分子生物学は細胞の中で閉じる学問だと思っています。…

セミナー

金曜日にバージニア大学の荻野肇くんのセミナーを開いた。 荻野くんは遺伝子の発現制御機構から発生について考えている第一線の研究者で、なかなか面白い研究を聞かせて頂いた。そこで思ったことは、方法論の違いを超えて、というか思考…

発生学とは

発生学とは、形がどのようにできるのかを調べる学問である、と言ってしまっても良いのだろうか?私はもちろんこれで構わないし、おそらく近藤滋さんもこの意見に賛成していただけるだろうが、一般的に見て発生学の研究をしている人たちが…