ゲノムの解読
今朝のニュースで、日本人のゲノムが初めて解読されたといっていた。
研究者仲間も日常的に「その生物はゲノムが分かっているの?」と聞くし、
「ゲノムが分かっている生きものの研究が進めやすい」なんて事もいう。
で、もう皆さんには橋本が何をいいたいのかお分かりだろう。
「ゲノムの解読」って言葉がめちゃくちゃに気に入らないのである。
ただ、DNAの塩基配列情報が読まれたに過ぎないだけで、
それをして「解読」などということ自体がおこがましい。
「ゲノム」と称した大きな研究費がこの10年ばらまかれている。
で、はたしてゲノムの本態にどこまで近づける成果が上がっているというのか。
ゲノムを語る時には分子生物の文脈で語ってはならないと思っている。
分子の相同性や相似生でゲノムを見ては絶対にいけないと信じている。
いままでは、全塩基配列の決定がスタートラインだろうと思っていた。
しかし、全塩基配列をすべて読んだ上ではたしてどう動くのだろうか?
本当の意味のゲノムというものに迫っていけるのだろうか?
そういう意味でわくわくとする話にはとんとお目にかからない。
まあ、私でもいろいろと思うのだから、
賢い人たちが問題意識を持たないとは思えないので、
おそらく現段階では方法論的に無理なのでしょうね?
あるいは、水面下では着々と何かが進んでいるのかも・・・。
わくわくする何かが見つかればいいのにな。