ことばと時間

ことばの学習によって物事を切り取ると書いた。 その流れで長いあいだ考えていることがある。   私は、時間の感覚も言語によって異なると考えている。 単純な話としては、口惜しいとかガンバレという日本語に相当する英語…

なぜ?を問うこと

すでに存在する事象に意味は問えないと書いた。 そこに存在する生きものに、「なぜいるの?」とは問えないのだ。 「なぜ生物が存在するのか?」に対しての答えは偶然だとしか言いようがない。   なぜとは、思惑や意思を問…

メールとメイル

電子メールを使い始めたのは私がアメリカに住んでいる時でした。 その時にはmailの日本語表記も「メール」と「メイル」が半々だったように思います。 まあ、英語の発音から考えるとどうしても「メイル」と書きたくなってしまいます…

ことばを覚えること

赤ちゃんが言葉を話す時、 まさにカテゴリー化や切り出しを行なっているはずである。 おかあさんが「これなあに?」と聞く。 赤ちゃんは初めは分からないが、 おかあさんに「これはみかんよ」と繰り返されると、 次にはその言葉をそ…

切り取ること

チョムスキーの考える普遍言語とは違うのだろうが、 言語の獲得の際にまず必要なことは、 存在するすべての事象から何かを切り取ることだろう。   冷静に考えると切り取ることはなかなか不思議な気がするのだ。 どんなも…

言語と哲学

「哲学もつまるところ言語に依存する」といったことが ある言語学の書物に書かれていた。 私はこの考え方に原則的には反対である。 ただ、言語学者は結局のところ言語をこのように考えているのかと理解できるので これはこれで面白い…

尊敬?

「私は谷垣さんを敵だと思っていない。先輩政治家としてリスペクト(尊敬)の念を持てる方だ。」 これは野田首相の言葉である。 いつ頃から「リスペクト」というカタカナ語を使うようになったのか私は知らないのだが、 気付いたら多く…

記載型の学問

職業的に日本語の文法で英単語を用いる傾向が強い私たちは descriptiveな研究と呼びますが、 まあ、生き物を観察し事実を記載するという形式の研究をさすと捉えて下さい。 何もこの方法論が絶対的に正しいと主張するつもり…

古い?新しい?

以前にも書いたようにこのところチョムスキーに関する本を読んでいます。 で、ある書籍の序論にソシュールが古いということが書かれていました。 いやあ、ソシュール信仰(と言うほどのものでもないけど)の私は愕然としました。 たし…

omissionとabbreviation

最近似たようなことばかり書いているように思いますが、 標記の単語について書きます。 どちらも「省略」と訳せる英単語ですが意味は全然違いますね。 でも日本語では、同じ「省略」とあてられるわけですから、 日本語の省略という言…

Can I~? May I~?

ことば論にも書きましたが、 英語で何かをお願いする言葉について考えてみます。   たとえばMay I have a cup of coffee?とCan I have a cup of coffee?の違いです…

漢字とひらがな

携帯の普及からか、やたらと漢字に変換された文章を目にする。 兎に角って・・・笑いを取ろうと思っているのかな?と疑っていたけど、 本人はそのつもりは毛頭ないらしい。 なんか、普通に出会わない漢字を目にすると読めないのだ。 …

続・単語の意味とはなにか?

で、昨日の続きです。 私はこれまでに「単語カードでは単語を覚えられない」と かたち=関係性の立場で書き続けてきました。 それと同じ話です。   単語の意味は文脈により決まるというのは間違いのないことです。 言い…

単語の意味とはなにか?

ある単語の意味を考える。 おそらくそれは、その単語が使われている文脈において規定されているだろう。 規定するという厳密な言い方よりも、 その文脈において矛盾を生じない程度のことだろうとも思う。 だから、ただ一つの文章にお…

漢数字と英数字

時代物の小説を読んでいると、 いや時代物に限らず昭和中期までの小説では 二十二三のような表記を頻繁に目にする。 この時にふと思ったのだが、 日本語では数字の並びの順番で桁が変わることはないのだろう。 だからこそ、十・百・…