台風で老朽化した?
街路灯の老朽化の話題をテレビで特集していた。実例として2018年に起きた街路灯の倒壊の写真が映し出されていたのだが、その際に「台風で老朽化した街路灯3基倒れる」とナレーションでも字幕でも放送されていた。大きなテレビ局である。これがそのまま放送されるってどういうことだろうと不思議に思った。何度も何度も何度も何度も(たかはしなるみさんの「すごいx7?」を真似てみました)この欄で書いているのだが、これは「老朽化した街路灯3基(が)台風で倒れる」としなければ不正確である。放送された言葉だと、「台風」が「老朽化」に直接かかる。台風にその一因があったかもしれないが、言葉の意味からして「老朽化」とは経年劣化であって、「台風」という物理的な力が及ぼすものではないので、この順序で言葉を並べるとおかしな話になる。もう一ついえば、「台風で」と「老朽化した街路灯(が)」と「3基」は共に「倒れる」にかかる。だから、長い言葉から先に並べる原則に従えば、「老朽化した街路灯3基(が)台風で倒れる」となって当たり前だろう。もしも、何らかの理由で放送された語順のまま使いたいのであれば、文字なら「台風で」の後に読点を打たなくてはならないし、読む時には「台風で」の後に間を空けなければならないが、それすらもなされていなかった。
「スタック」でも書いたし、同様のことは過去に何度も書いているのだが、日本語で表現できる言葉をわざわざカタカナにして放送したり、わかりにくい(不正確な)文章を流したり、言葉を大切にするべき人たちが言葉を蔑ろにしているようにしか思えない。こんなことをしていながら、「ら抜き言葉」みたいなことをあげつらう。方言で「れる」が可能で「られる」が受け身と使い分けているところもあると聞くし、何より「ら抜き言葉」はすでに一定の「民意」を受けている感もある。それがいいとは思わないが、それよりももっと気を使わなければならないことがあるのではないのか?年寄りの戯言なのだろうが、本当に気になって仕方ない。