脊椎動物と無脊椎動物「誘導」(6/6)

ここで視点を変えてみます。BMPなどの分泌因子が隣接する細胞群に働きかけてその運命を変えさせる現象を「誘導(embryonic induction)」と呼びますが,分子的に見るとこの現象は多くの多細胞生物で行なわれている…

蘇さん

隣の研究室の蘇研究員は物静かないい男である。 彼はエコのことを考えて某社のハイブリッドカーに乗っている。 ナンバーも、なかなかシャレた数字を取得されている。 そこまではいい。だが、すごく残念なことがある。   …

ゲノムと表現型

昨日のブログで,宮田先生との感じ方の違いは何に起因するのか 橋本が勝手に妄想してゴチャゴチャ書いてみたのだが、 その後に酒を飲みながらぼーっと夢想しているときに、 「今までに進化をゲノム体系の視点から論じたものを見たこと…

海の家・・・

海の家企画は結局のところ実現しませんでした。 もう,時期的に海の家ではありませんしね。 実は,ちょっときっかけを探していて、 ちょうど京大時代の知り合いが大阪に転勤になると言うことを聞いたので 転勤後に彼を誘って海の家パ…

宮田先生とソフトモデル

宮田先生のソフトモデルには共感する部分が多いと思っている。 しかし,宮田先生とお話しさせて頂くとどうも話が噛み合ないことがある。 その辺りを先日じっくりとお話しさせて頂いたのだが どうも,宮田先生のソフトモデルというのは…

脊椎動物と無脊椎動物「個体発生における神経堤・プラコード・脊索前板の出現」(5/6)

私たちの研究から、神経堤・プラコード・脊索前板の成立に必要な新しい分子機構が明らかとなって来ました。分子発生学の文脈では,元来,遺伝子の発現制御に注目して細胞の分化などを論じるのですが,私たちが見つけた現象は直接的にはこ…

脊椎動物と無脊椎動物「増殖と分化」(4/6)

古くから発生学の研究者は「増殖」と「分化」は互いに相反するものであると考えて来ました。その分子的な基盤はよくわかりません。私が分からないだけなので,実は既に良く分かっているのかもしれませんが,とにかく私は知りません。ただ…

かたちまつり2009の日程が決まりました!

待ちに待った「かたちまつり2009」は11月18日(水)の午後と決まりました。 現在,演者の人選をしているところです。 今回は両生類のオーガナイザーに的を絞って議論を深めたいと思っているので 人選がなかなか難しいのです。…

脊椎動物と無脊椎動物「個体発生における前適応」(3/6)

あらゆる生きものにおいて様々な遺伝子の働きが解析されています。たとえば細胞外に分泌されて他の細胞の分化などに影響を与える分子,その分子を細胞膜上で受容してそのシグナルを核に伝えるしくみなど、脊椎動物以外にもショウジョウバ…

脊椎動物と無脊椎動物「前適応」(2/6)

進化の考え方で前適応があります。宮田先生の説明が分かりやすいので例として使わせて頂きます。たとえば木の葉に擬態しているコノハムシという昆虫は、ジュラ紀の地層にもその化石が見られるということですが,実はジュラ紀に広葉樹は存…

小宮山さん

昨日、久しぶりに小宮山さんと夕食(酒)をご一緒させて頂いた。 大阪市の総合医療センターに勤務する脳外科のお医者さんで 一昨年のサマースクールにご参加くださって以来の付き合いである。   彼は気持ちよく酒を飲む。…

脊椎動物と無脊椎動物「序」(1/6)

私は、脊椎動物の発生に興味があって研究を進めていますが、その流れで進化にも目が向くようになって来ました。で、現在の個人的な興味は「脊椎動物がどのようにして出現して来たのか?」です。現在、脊椎動物に最も近い生きものとしてホ…

消費税に関して感じること

先日,街を歩いていたら「消費税反対の署名をお願いします」と声をかけられた。 基本的には署名という行為はよほど自分が納得しない限りしないので その時も「ごめんなさい」と歩き抜けた。   ところで、消費税は悪のよう…

腰痛

腰痛とはもう20年以上の付き合いですが、 今年、名古屋大学で集中講義をして以来 セミナーや講義が終わると立てなくなるくらいに 一過性のひどい腰痛に悩まされています。 なので、今日、八尾まで診察をしてもらいに行きます。 し…

ゲノムと構造

かねてから書いたり話したりしておりますが、 私はゲノムというものを単なる遺伝子の集合体だとは考えておりません。 これは宮田先生のソフトモデルにも通じるものがあるのかもしれませんが、 たとえばチンパンジーのすべての遺伝子と…