ジグゾーパズル
生きものとはジグソーパズルの完成品と考えたら面白い。
遺伝子はパズルのピース一つ一つ。しかし、普通のジグソーパズルと違う点が一つある。普通のジグソーパズルは完成図があってパズルができている。しかし、生きもののパズルには完成図がない。とにかくあらゆる組み合わせを試してみる。星の数ほどある組み合わせの中で一つのピースも完全にくみ上げられるのはほんの少ししかない。しかも、それが何らかの絵になっている確率は天文学的に低い。たとえ何らかの組み合わせができても、それは非常に危うい、かろうじてなんとか組み上がっているくらいのものだろう。だから、ある時までの生きものとは非常に危ういかたちを形成しながら遺伝子を維持するにとどまり、そして、何かのきっかけ(その組み合わせの安定度が極端に低下したとか、極端に多くの変異が入る環境になったとか)でパズルのピースの大幅な並べ替えに迫られた結果として、現存する動物門のような生きものの基本的かたちを形成したと考える。
なお、この考え方は実存主義の思考形態に近いかもしれない。すなわち西洋言語的要素還元主義に対抗して生じた実存主義と「かたち論」的(日本語的)思考の関係性であるが、機会(要望)があればこの議論はあらためてしてみたい。