4月1日です

2024年4月1日になりました。新年度ですね。 今日からは東京都立大学理学部生命科学科の客員教授として研究に関わらせていただきます(四月馬鹿ではありません)。都立大学の発生生物学研究室にはニワトリの初期発生を研究している…

今日で引退

本日をもちまして、生命誌研究館の主任研究員と大阪大学大学院の招聘教授の職を辞することとなりました。概して楽しい研究生活でした。皆様の後押しがなければもっと薄い研究に終わっただろうと思っていますので、これまで出会った皆さま…

ミステリ小説とミステリ映画 その2

私が理想とするミステリなのだが、これも何度か書いているように、ある瞬間、これまで見ていた景色がまったく別の景色へと大変換するようなものである。いくつもあるのだが、クリスティの「五匹の子豚」やマゴーンの「騙し絵の檻」なんか…

個人的な謝恩会

昨日は生命誌研究館に行く最後の日でした。総務部長が個人的に「謝恩会」を開いてくださいました。洒落たフランス料理店でコース料理でワインをいただきました。食が細くて懐石やコースを食べない(食べるのが間に合わず必ず途中で料理に…

アメリカでの生活

大谷さんの通訳の問題が世間では騒がれているので(というわけでもないのだが)、アメリカでの生活について書いてみようと思う。ただ、私自身のアメリカ生活はもう30年前の話になるので今のようなネット社会でもないし、なにより大谷さ…

やっと

バタバタと意味不明に忙しかった3月もそろそろ終わりを迎え、毎年恒例の健康チェックも終わり、その他のこまごまとした雑用にもようやく目処がついて、まだ多少の雑用は残っていますが4月以降にのんびりと済ませられることなので、ホッ…

ミステリ小説とミステリ映画

ミステリ小説が好きである。ただ、「ミステリ」とひとことで言っても人によってその捉え方はものすごく違うと感じる。また、同じように感じる人であっても、その好みは極端に異なる。 私は、糸や針を使って密室を作ったり、それまで何か…

あなたが見ている青と私がみている青は同じ色ではない!これは感覚的・抽象的な表現かもしれないが、生物学的(医学的?)にも同じことは言える。 人は、3種類のオプシンで色を感じている。3種のオプシンはそれぞれ認識する波長が異な…

フラグ?

私にはまったく馴染みのない言葉なのだが「フラグが立つ」のような表現がある。「伏線」とか「予測」とかの意味で使われているらしく、もとはプログラミングの単語らしい。で、その英語の綴りはflagだ。旗の意味だとフラッグと表記す…

思考実験

科学哲学の講義の最初に、ポール=ワイスの「思考実験」について話します。数年前に東大の内部での試験にも出題された問題です。東大生の8%しか正解できなかったそうですが、何を持って正解としたのか興味があります。というか、「正解…

実験 その2

さて、研究者をやっていて感じるのは、優秀な研究者は必ず好奇心旺盛だってことでしょう。優秀な学生も好奇心旺盛です。だから、「面白い」と思ってもらえることもまた理科を好きになる一つの動機だろうと思います。子供が好きで理科が好…

実験

研究者をやっている、あるいは志す、動機は人それぞれだと思います。私は発生学、特に時間と共に形が変わっていく様子に心を惹かれことが大きいです。だから、他の人も同じものを見て同じように興味を持ってもらえるとどうしても考えてし…

淘汰

淘汰という考え方が進化を考える上での基本だろう。だから、その生命現象にどのような淘汰圧がかかっているかを考えることが、進化は言うに及ばず現存する生物の現象を考える上で最も重要だと思う。 淘汰という概念よりも選択という概念…

理解の段階 その2

擬態という生命現象があります(擬態を生命現象と言って良いのかわかりませんが、そこはお許しください)。形態を葉っぱや花に似せたり、蝶の翅に目玉のような紋様を描いたりと、たくさんの擬態が知られています。擬態について普通に考え…

理解の段階

勉強したり読書したり、テレビを見ても良いし誰かと話しても良いですが、生きているといろいろと新しい知識を得ます。普通に考えて、新しい知識を得たら、それまでとは進歩しているはずです。知識量としてはその通りだと思いますが、思考…