結婚式

先週は、月曜から水曜日まで博多で学会に参加し、木曜日は持病の検査で病院に、金曜日は研究の議論で川崎医大(倉敷市)、土曜日は私の研究室を出た学生の結婚式で広島と、体力的にものすごくハードな一週間だった。

結婚式だが、いままで参加させてもらったものの中では一番すばらしかった。若い二人が一所懸命に考えたのだろう。本当に心のこもった素敵な時間だった。元教え子である新婦の姿を見ながら、彼女が学生だった頃を思い出していた。

学生はそれぞれすばらしい個性を持っているし、私のところを卒業した学生は全員が全て優秀であった。博士の学位を取って出て行った学生は世界中のどこへ行っても十分に通用する。これは本当にそう思う。その中で、この学生は修士課程を修了して博士課程への進学など考えもしないまま就職をしてしまった。何事もきっちりと決める性格を持っている人だったのだろう。入学した時点ですでに就職を考えていた。

だから考え方もしっかりしていた。私の先輩とかで大手の会社にいる人が多少はいる。私はその人たちに連絡を取って彼女の就職の可能性をあたってみたのだが、彼女はそれに頼らなかった。その理由は、「近い将来結婚するだろうし、そうなったら退職もするに違いない。それがもしかしたら1年後かも2年後かもしれず、そのような不義理なことをする可能性があるのに、橋本のコネクションで就職などできるはずはない」というのである。非常に立派な考えだし、親御さんが立派に躾をしてこられたのだろうと思う。

彼女は、私が見て来た学生の中では一番研究者に向いていると思っている。本人が自分自身をそう思っていないところもいい。どこがどう向いているのかと言われれば答えに窮するのだが、全体として研究者に必要な素養がバランスよく配置されている。だから、個人的には科学の世界に戻って来た欲しいと思うのだが、おそらく本人は全くその気などないだろうし、お嫁さんとしての一番を目指すのはそれも良いと思う。

披露宴の間中、こんなことを考えながらワインを飲んでいた。