スタック
雪で車がスタックし、米はどこかでスタックしているらしい。他にもどこかで何かがスタックしているのだろう。
で、スタック。このカタカナ語は、研究をしているときには日常会話によく登場した(英語論文を読み書きするのが仕事の研究者は、日常会話の中でもカタカナ英語をよく使うのです)。しかし、普段の生活では今までに出会ったことがないように思うのだが、なぜ突然ここまでの市民権を得たのだろう?
報道機関も、日本語に訳すという努力はもうする気はないのだろうか?”hotbed”を「温床」と訳し、”footlight”を「脚光」、”footnote”を「脚注」と訳した日本人は偉大だったなあ。今だったら「ホットベッド」「フットライト」「フットノート」みたいになんでもかんでもカタカナ表記にして外来語を使い続けるのだろうな。そう言えば、平和・自由・権利・人権などの言葉も、明治維新以降に外国語から生まれた日本語なんだよなあ。
百歩譲って新たに輸入した言葉を日本語に直す時にカタカナにするのはまだいいだろう。スタックとかエビデンスとかなんかは立派な日本語が存在するにも関わらずカタカナ語をあえて使用することは、日本語という言語にとっては自殺行為のように思うのはどうやら私だけのようだな。
私が勉強していた頃は、「DNA合成酵素」だったのが、いまでは「DNAポリメラーゼ」だもんなあ。今だったら「遺伝子」という言葉も「ジーン」と呼ばれるのだろうなあ。言語植民地主義(1・2)もここに極まれり!なのだろうか?