遺伝研セミナー

15日(木曜日)は国立遺伝研でセミナーをさせていただく。橋本の研究生活も最後というわけで、副所長の仁木さんからお誘いいただいた。 何を話そうかといろいろ考えたのだが、3つくらいのテーマをオムニバスで話すことにした。細かい…

講演・・・冷や汗

昨年11月に行なった「最終レクチャー」の映像をDVDに焼いてくれたのでこの週末に観た。そして驚いた。 むずかしい・・・・・。 お客様はよくこんなものを聞かされて寝なかったなと本当に感じた。実際に、当日のお客様は皆さましっ…

個人研究

タイトルにはいつも悩みます。センスないなあといつも思いますが、適切なのが思いつかないのだから仕方ない。ここで書きたいのは「個人研究」に直接関することではありませんので、悪しからずご了承ください。 私は個人的に面白いと思う…

正義

自分にしても他人にしても、正義をかざすことって怖い。よく考えてみると、正義ってそれを考える人の数だけある。倫理観や道徳観、宗教観などは人によって違うからだ。だから、私の正義とあなたの正義は同じではない。なのに、いったん正…

ストップメイキングセンス、観てきました。

シネコンになってからは「大スクリーン」というわけにはいかないけれど、まあ大きなスクリーンで見れました。お客さんも思ったより多かったし。今の若い人にはどう映ったのだろう?? で、ただいま帰宅しました。ビール飲んで寝ようかな…

原作と脚本

以前に、原作と脚本の話を書いた(これまたはこれ)。この時は、脚本家によって作品はまったく別のものに生まれ変わることをかなり肯定的に捉えて書いているし、この文脈においてはその気持ちはそれほど変わっていない。特に、思いつきは…

お約束

未就学児に手品を見せて驚かせるという番組を見た。期待を裏切って子供たちはまったく驚かなかった。それをみて、「そらそうだよな」と感じた。 驚くためには、それを驚きと感じるための「前置き」「あるいは共通認識」がなければならな…

ストップメイキングセンス

標題の映画については過去になんども書いた。言わずと知れたトーキングヘッズのライブ映画だ。内容はただのライブ映像なのだが本質は全く違う。羊たちの沈黙やフィラデルフィアといった名作をとっているジョナサン=デミが監督している「…

句点

若者の間で、句点を使ったlineの文章は威圧感や怒りを表しているとある記事にあった。年代の問題かもしれないが、句点は言うに及ばず、正しい場所に読点が打たれていない文章は読みにくく、句読点のない文章を書く人を「頭が悪いなあ…

思想・哲学書の読み方

「思想・哲学書を読むのが好き」というと、思想・哲学史について詳しいと誤解を受けることがたまにある。固有名詞(特に人名)をたくさん知っているとも思われる。しかし、謙遜ではなく全くそんなことはない。たぶん「読む目的」が普通の…

思考と嗜好(目的論)

生物の進化を考える際に目的論は徹底的に排除される。それが新ダーウィン主義の考え方だろう。エーデルマンは神経ダーウィン主義を提唱したがそこに目的論はない。要するに「〇〇するために変異する」のではなく、「変異した結果(淘汰さ…

思考と嗜好(羊膜類)

羊膜類が誕生するときにも卵黄が大きな役割を演じていると私たちは考えている。卵黄が一定水準を超えて卵に蓄積されると、卵は細胞としての振る舞いを行なえなくなる。端的に言えば、油が邪魔をして細胞分裂ができなくなるのだ。そうする…

ビシソワーズ

あまりに寒いので朝からビシソワーズを作りました。ビシソワーズは冷たいものという印象が私にはあったのですが、これは温かいやつ。じゃがいもと玉ねぎとブロッコリー。牛乳たっぷりでバターも入れて栄養もカロリーもたっぷり。じゃがい…

思考と嗜好(原索動物と脊椎動物)

脊椎動物の出現を考えるとき、卵黄の獲得が大きな意味を持つと考えている。卵黄の獲得により卵が巨大化した。卵が大きくなると細胞分裂の回数が増えなければ、細胞運動可能なサイズの細胞を持つことができない。原索動物(無脊椎動物)は…

思考と嗜好(ゲノムと淘汰圧)

中立的に物事を見ることがなかなか難しい。論理的に思考している時でも、「論理的」だから公平中立に考えられているのかと言えばそれは違う。私たちの考え方には、生まれ育った環境に依存する癖がある。言語が論理に影響することは何度か…