イクメン

無意識に使っている言葉に話し手が意識していない意図が見え隠れする。大昔に「明るい農村」という番組があった。何も考えずにみていたのだが(小学生があれを見るのも可愛げがないとは思うが)、「わざわざ”明るい”とつける背景に、”農村は暗い”という先入観というか暗黙の了解のようなものが感じられる」とある人が言ったのを聞いて、なんとなく感心した記憶がある。それから、いろんな言葉を深く(ひねくれて?)考察するようになった。例えば、「気にしてないけど」から始まる話題は、「(枕詞に使うくらい)気にしてるんだろうなあ」と思ってしまう。

男性が育児をすることが当たり前な欧米の国では、標題の言葉も生まれなかったのだろうなと思う。男性が育児に参加しないことが当たり前の国だからこそ「イクメン」という言葉が生まれたし、それが褒め言葉となったんだと感じる。だからこの国では「イク女」のような単語は生まれないと言い切って構わないと思う。