イントロ

論文ではイントロ(序論)が最も重要だと信じている。イントロを読めていない人は、その論文を理解していないと思っている。イントロには、その論文を歴史的に位置付ける意味がある。そこを読むと、自分が知っていた過去の論文の別の読み方に気付かされる。「この論文を私はこう読んでいたが、この人はこんなふうに捉えているんだ」ってことを知る。それも、一本の論文の読み方だけではなく、その論文の前後に置かれた論文の並びによって、その論文の意味づけがされている。その並べ方が私が思っていたのとは異なる場合がある。一つの論文が前の論文に意味付けされているのと同様に、その前後の論文もさらにその前後の論文によって意味が与えられる。それらが全体として、ある意味で、研究者の哲学を表現しているように感じられる。

それなのに、学生に論文紹介をしてもらうと、イントロを飛ばして結果だけを話すことがかなり多い。と言うかイントロをまともに紹介する学生はほとんどいない。もったいないな、と本当に思う。