アンゴウ

先日も書いたが、「安吾捕物帳」を読もうと

日本探偵小説全集の「坂口安吾集」を購入した。

「不連続殺人事件」も入った贅沢な一冊だった。

その「不連続」と「捕物帳」に挟まれて「アンゴウ」なる短編があった。

http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42837_23711.html

何の先入観もなく読み始めたが、

さすが「桜の森の満開の下」の坂口安吾だ。

物語の引っ張り方や解決の仕方など、あっぱれとしか言いようがない。

このような方向の期待をしていなかっただけにびっくりした。

これは探偵小説か?とも思ったが、

同時に「これが探偵小説ではないと言うのなら何が探偵小説なのだ」とも思った。

いままでいろいろと書いてきたような「私の好きなミステリ」ではない。

私の定義では決して「本格」ではない。

でも、ここまで美しいミステリもあって良いと思い直した。

大きな意味で似ているものを上げるとすれば私には瓶詰地獄

https://hashimochi.com/archives/3436が思い当たった。

たぶん「全然違うやん!」とクレームはつくと思うが、

そう思ったのだから仕方ない。

異論はあろうがお許し願いたい。