価値 その2
これはあくまでも一般論である。気心の知れた人からお願いされることはこの範疇にはない。なぜなら、その人たちは私たちの努力の成果を最大限に認めてくれていて、それをわかった上でお願いしてくれるからである。こちらが恩を受けた人にお返しする場合もあるだろう。自分の価値観に照らして「意味がある」ことに対してこのような考え方を当てはめるつもりもない。もっといえば、どんな知識も見返りなしに無償で提供してくれる高尚な人もいることだろうと思う。しかし、これらはすべてお願いされた側の厚意であって、お願いする側が求めるものではない。
日本人の美徳に照らせば自分の行為をお金に換算することを良しとはしない傾向がある。しかし、ひとまずは価値を判断する基準として「お金」が介在するのは社会活動においては当然のことであることも事実だ。「労働」の価値は「対価」で計られる。だからサービス残業は「価値の搾取」であって違法なのである。したがって、その人が努力して築き上げた知識や技術などもその人固有の価値として尊重されなければならない。その人が努力した結果にタダ乗りすることがおかしいと言っているに過ぎない。「金が欲しい」のではなく「尊重して欲しい」のだ。尊重の一つの基準が金額なのであって、その人が金銭以外の価値基準も認めるのであれば、必ずしもそこにお金が介在する必要はない。
では、いくらだったらいいのか?適切な金額はわからないし、おそらく人によって適切と考える金額は異なるのだろうと思う。私がここで議論したいのは「金額」ではない。「タダでいい」「お金を払うに値しない」と考える姿勢に対して異議を唱えたいだけである。
(つづきます)