八百長会見

大相撲で八百長問題が発覚した。

個人的にはそれほど驚かなかったが

大変な事態であることは間違いないだろう。

理事長の謝罪会見にも事の重大さが垣間見える。

 

その謝罪会見で気になる発言があった。

それは、八百長が過去にはなく今回が初めてだと言ったことである。

八百長疑惑はかなり以前からささやかれていた。

昔から八百長は当然やられているという街の声もあった。

そんな中でのこの発言は耳を疑う。

というか、相撲協会に危機管理意識はないのだろうか?

もし本当に今まで八百長は一切なかったとしても、

今回の事実から、これまでも同様のことがあったと推測されるし、

世間の人はそう思うだろうということを考えないのだろうか?

だからこそ、過去も含めて徹底的に調査すると言わなければならない。

そうでなければ信頼なんかされっこないと思う。

過去の八百長には証拠がないから逃げ仰せるとでも思っているのだろうか?

あるいは、理事たちに後ろめたい何かがあるのだろうか?

などと勘ぐられても仕方のないことだと思う。

八百長報道をした出版社を名誉毀損で訴えて勝ち続けているが、

名誉毀損というのはたとえ事実であっても成立する罪なのだから、

これは「八百長がなかった」事の証明ではない。

やはり、過去にさかのぼって徹底的に調査する意思表明をするべきだろう。

 

まあ、理事長の会見で「抱く(いだく)」を「だく」と読んでいたから、

あの文章は理事長以外の誰かが書いたものだろうことは推測できるので

あの文章を書いた人がバカだっただけで、理事長の責任ではないのかもしれない。

ただ、それも含めての責任者であることは否定しようがない。

 

以前にも書いたことだが(たとえばhttps://hashimochi.com/archives/2346)、

その場の一瞬の「逃げ」で後々の信用失墜につながるケースはたくさん見てきた。

アトラクションから男性が落下して亡くなった事故に関しても、

運営会社の最初の会見は傲慢としか映らなかった。

「自分(たち)は悪くない」の一点張りだった。

JR尼崎線の事故にしても当初は何の証拠もなく「置き石」だと会見で述べていた。

自分たちに落ち度はないのかもしれないし、

本当に置き石が原因かもしれない。

それはその後の調査で明らかになることだ。

だから、調査前の段階ではあらゆる可能性を残しておくことが重要だし、

特に自分たちの不利になるような可能性に関しては真っ先に考慮すべきだろう。

そうすることで信頼は高まるのだろうと思う。

会見に臨む前に「戦略」を立てないものだろうか?

不思議でたまらない。

相撲協会は排他的にならず、

危機管理の専門家を外部からブレーン(理事?)として入ってもらうことを

真剣に考えた方が良いと感じる。