検討していない

「政府として検討している事実はない」と首相が言う。しかし、「党としては検討している」という事実には触れない。理屈は正しいのだろうが、この説明を聞いて納得できる国民がどれだけいるのだろうか?私は「汚い」と思ってしまう。だって、この答弁はただの詭弁にしか思えないからだ。確かに行政府と立法府は異なる。三権分立だ。だから、党でどんな議論をしても政府としては知らぬ存ぜぬと言いたいのだろう。でも、この人は党の総裁だよ。そして、その答弁をした舌の根も乾かぬうちに党の意向が政府の意向になる。なんなんだこれは。

財源はないと言い続けてきた。しかし現金給付する。その財源は「税収の上振れ分」と言う。だったら財源はあったじゃん!と思う。こういう議論にも上に書いたような詭弁的な説明がなされるのだろう。

考え方が異なるのは構わない。極右から極左まであらゆる考え方があり、それぞれに己の考え方が正解であると信じているのだろうし、それこそが健全な民主主義の社会だろうと思うから、そこを統一することのほうが恐ろしい。ただ、結論があって、その結論に向いて理屈を組み立てる。その理屈は過去に自分が述べた理屈に反していても、そこに詭弁を弄して正当化する。こういう答弁を平気でできる人のことを信じることができるのだろうか?私にはできない。また、何度もこの手の詭弁を弄する可能性が高いからだ。この人に限らず、最近はこのような「屁理屈」が多いと思う。二割しか支持を得られなくても「二割の民意を無視するな」と言う。しかし、たとえ50.5%:49.5%の差であっても、1%でも多く得票して選挙で選ばれたら「これが民意だ!」と大きな声を上げる。同じ人が同じ口でこう言うことをおっしゃる。

なんか気持ち悪い。最近は気持ち悪いことが多すぎる。こういう現実に背を向けて、どんどん世捨て人になっていく。