自由?

西洋文化における「自由」とは制約の中にあると思うが、日本人の言う「自由」とは無秩序な、何をやっても構わないと言う傍若無人的な意味で使われている言葉のように感じられてならない。

その理由はおそらく「自由」という概念の始まりにある。日本語に「自由」という単語が生まれたのは明治維新以降だ。言葉がなかったのだからその概念すらも江戸時代にはなかった。西洋の「自由」という概念を輸入して日本語にした。平和や平等という言葉も明治にできた。言葉は輸入したが、その哲学までは輸入できなかった。

もともと、基本的人権という思想は唯一絶対の神の存在においてのみ成立しうる。神様が我々人間を創りたもうた。だからその人間は生まれながらに神様から与えられた権利を持つ。その権利を侵すことができるのは神様だけである。神様に担保された権利だから、たとえ国家であろうが君主であろうが独裁者であろうがそれを害することはできない。これが基本的人権の哲学である。その根本思想を日本人は持たないから、自由や権利といった概念を履き違えるのだと思う。