定期試験を考える 1/2

生徒に作問をしてもらったら面白いかも、の続きです。

可能であれば、試験範囲を6等分します(何等分でも構わないのですが、ここでは仮に6等分としています)。クラスも6等分して、各グループが一つの範囲に関する問題を作ります。1班が範囲1から作問し、2班が範囲2から作問するという感じです。作問はグループで議論して行なっても良いし、各自で行っても良いと思います。なんにしてもかなりの数の問題が集まることとなります。良い問題ばかりとは思いませんが、「問題自体も採点します。良い問題を作ったら試験の点を加点します」くらいを言っておけば、優秀な生徒さんは頑張って問題を作ってくれることでしょうから、学年全体として見たら使い物になる問題も複数集まるでしょう。試験範囲を当分せず、全体から好きなところを問う問題を作ってもらってもいいでしょうが、それだと問題の範囲が偏る可能性があるかもしれません。

生徒さんに作ってもらった問題を集め、そこから厳選したものを生徒に示して「すべての試験問題はここからそのまま出します」と宣言します。試験はどんな問題が出るかわからないから勉強が大変だし、途中でやる気も失せるのだと思いますが、出題される試験問題が目の前にあるのだったら点数を取るために丸暗記するでしょう。だって、丸暗記すれば満点が取れるのですから。

橋本が考えるこの方法の利点は、この単元(範囲)ではここを押さえてほしいというポイントがあると思いますが、そのポイントを作問することで理解してもらえることと、そのポイントを問う問題を出題し、それを丸暗記させることで、授業の目的を達することができるということです。この前提として、意味がわからない文章を丸暗記できないという事実があるので、ただただ丸暗記しようとしてもその内容を理解しなくてもなりません。だから、この単元ではここをきちんと理解してほしいと思えるところを試験勉強で集中的に勉強してもらえるということになると思います。いつか書いたと思いますが、語句を覚えるのは本番の入試前で構わないのだから、定期テストではその本質的なストーリーをしっかり理解してもらえればいいことにして、その目的のために「作問&丸暗記」が一つの手段になるのではないかということです。

「それでは、その問題を作った生徒が得をする」と考えられるかも知れませんが、学年を通して作問をすれば、同じ範囲の中から複数の優れた問題が出てくると思いますので、クラスごとに出す問題を変えればいいだけのことです。1組のA君が範囲1から問題を作ったとします。その問題をA君が解けば不公平ですが、1組の試験問題は2組のBさんが作った問題にすればいいだけのことだと思います。ここでの目的は学力を問うのではないと橋本は考えていますので、問題が異なっても不公平にはならないだろうし、それ以前に、出題される可能性のある問題はすべて事前に公開されているのであれば、これは特に大きな問題になるとも思えません。もしも、望むような問題が出てこなければ、どこかの生徒さんが作ったことにして、先生が作った問題を紛れ込ませてもいいかも知れません。

(つづきます)