続々・ニッチ?
ニッチの議論に違和感を覚える私の性癖が何に由来するのか?
たぶんそれはカエルやイモリの発生を受精卵から見ていることかなと思う。
ツメガエルは一度に何千個もの卵を産み、
人工授精すればほぼ100%の受精率で発生が始まる。
しかし、これらを飼い続けていくと、いくつかの時期で大量に死滅する。
外敵などいない環境でエサもあたえ温度も管理して最適と思える環境でも生存率は極めて低い。
だから、先住者がいない環境だとひ弱でも生存できるという考え方を
なかなか受け入れられないのだろう。
まあ、これは少々間隔的な問題であるからこれ以上の議論には馴染まないだろうが、
進化とは結果を議論する以外に方法はないわけで、
現存する生きものは結果として残ってこられただけのことであって、
適者だから残ってこられたと考えるよりは、
残ってきたから「適者」だったと考える方が正しいのだろう。
どう考えたって競争力に劣るひ弱に見える生きものは現在でも存在している。
それが存在する以上は外部淘汰をなんとかかいくぐってきたとは言えるが
○○を××したから生存できたと説明するのは議論の順番が逆だろう。
動物門の間で系統関係が存在するとすれば、
発生プログラムにも進化的に連続した系統関係がなくてはならない。
しかし、見かけ上は動物門の間に発生プログラムの連続性は存在していない。
この考え方を逆にとれば、
同じ動物門の中では共通の形態形成過程が存在しているはずである。
この考え方が正しいのか間違えているのかいまの私にはわからない。
ただ、この考え方に立って、脊椎動物の原腸形成運動の共通性を求め、
それを明らかにできたと思っている。
動物の体制を決めるのに重要な原腸形成運動は
脊索動物門の内部においては普遍的な動きを示し、
その動きを逸脱する変異は残ってこなかったからこそ砂時計のくびれが生じたと考える。
だから、すべての動物門においてその発生過程には、
脊椎動物における「砂時計のくびれ」のような過程が存在していると私は思う。
すこし議論の方向は違うかもしれないが、
脊椎動物において分類群の綱の分岐は比較的短期間に起こっているようだ。
これはいくつかの遺伝子の系統解析からも支持される。
だから、何となく思っていたように、
まず魚、次に両生類が生じて羊膜類としての爬虫類が出現し、
最後に哺乳類が誕生したという順番は間違ってはいないようだが
それほどのんびりした感覚ではなさそうだという。
もしも脊椎動物の出現が発生プログラムに与える影響が
カンブリア爆発くらいの激しい変動だったとして、
当初はその変化が安定せずに、
言わば大地震のあとの余震のように、
エネルギーの安定化の動きが活発に起こり、
その結果として魚類・両生類・爬虫類・哺乳類へと
短期間に分岐したと考えても良いかもしれない。
3日かけてゴチャゴチャ書いてきたものの
多岐にわたる議論があっちこっち行ってちょっと
ごちゃ混ぜになり過ぎた感があるな。
まだまだ書こうとも思ったのだが、
収拾がつかなくなってきたのでとりあえずこの話題は終わろう。
またいつか・・・・・・・。
(おわり)