◎◎少年?
兵庫県立大学にお邪魔して、夜にそこの先生方と酒を酌み交わした。
梅園良彦くんから「ちからさん、昔はどんな少年だったのですか?」みたいな質問をされた。
質問の回答としては「昆虫少年」とかを期待するものだった。
しかし、残念ながら私は昆虫少年でもなければ野球少年でもなかった。
神戸で育ったので時間があれば山に行っていたが、
ただただ歩いていただけだった。
昆虫や自然に魅せられて科学の世界に入るというのは
私にとってはすごいあこがれであり、
そういう人たちのことは無条件に尊敬してしまう。
対して、私が何に興味を持っていたのか?と考えると、
やはり「論理」だったのだろうと思う。
論理的な謎に魅かれる傾向が強かった。
謎が論理的に解明されるときにカタルシスを感じた。
あるいは哲学的な意味でのエクスタシーに達した。
その最たるものがおそらくミステリ小説への傾倒だろう。
糸と針で作る密室には興味が無く、
論理のアクロバットによってどんでん返しがなされるもの、
不可能犯罪が視点を変える事で論理的に解き明かされるものを好んだ。
間違いなくその流れの延長にいまがある。
だから、優れたミステリのような論文を書きたいと常々思い続けているのだ