花粉症
今日ネットで、「将来、子どもが花粉症で苦しまないようにするためにはどうすればよいか」という記事を見つけました。
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターの谷口克センター長による「花粉症にならないための9か条」で、1・生後早期にBCGを接種させる、2・幼児期からヨーグルトなど乳酸菌飲食物を摂取させる、3・小児期にはなるべく抗生物質を使わない、4・猫、犬を家の中で飼育する、5・早期に託児所などに預けて細菌感染の機会を増やす、6・適度に不衛生な環境を維持する、7・狭い家で、子だくさんの状態で育てる、8・農家で育てる、9・手や顔を洗う回数を少なくする、ということらしいです。個人的には非常に納得・・・というよりも「当たり前やん!」ってことばかりなのですが。でも、この考えが浸透すると除菌関連商品が売れなくなるから財界から反発があるかもしれませんね。あるいは別の意見を言う学者を呼んで正反対の講演をさせるとか。まあ、これが真理かどうか私には分かりませんが、私の主張は「ヒトが今まで生きて来た環境を変えることは非常に危険だ」ですから、この9か条は生物学的に考えても理に適った意見だとしか私には思えません。
ところで、ある生活習慣でガンになる率が2倍だと言われたらどう感じますか?怖いですよね?なんか、気分的にはその習慣をすることで必ずガンになるような気がすることさえあります。では、その数字が1万人当たり1人だったのが2人になると言われたらいかがでしょう?これは、ガンになる確率は確かに2倍ではあるものの、個人のレベルで考えると誤差のように私には感じられます。宝くじを1枚ではなく2枚買ったら1等が当たる確率は2倍になりますが、そんなの誤差でしょう??それと同じくらいにしか私には感じられないのです。この場合、ガンになるのは「運」の良し悪しとしか思えない。「科学的」と称する数字にも、意識的な操作を加えることが出来るのだろうと私は思いますし、それを見極めて科学的に物事を考えることとは、研究者にだけ必要な思考経路ではないのだろうと私は思います。
さて上の9か条、皆さんはいかがお考えですか?
余談ですが、かたちの会のあとミュンヘンに向かう途中でゆぐちさんに「私はミステリーしか読まない」とお話ししました。で、「お薦めは?」とよく聞かれますので、今回は誰からも聞かれておりませんが書きます。ただ、挙げ始めたらきりがないのでひとつだけ・・・いや、ふたつにしよう。個人の趣味からのザ・ベストは山口雅也「生ける屍の死」です。これはいまのところ揺るがない第一位です。しかし違う視点からのイチオシは柄沢斉「ロンド」。なぜふたつのイチオシがあるのか・・・どちらも文庫になっていますので興味があればお読みください!ちなみに、私は0歳の時に肺結核で死にかけていたらしく、バシバシに抗生剤を投与されていたそうですがまだ花粉症ではありません。不衛生な環境が功を奏したのでしょうか?
「トイレの個室は私だけの小さなお城」。数日前の新聞に右のような見出しで「最近オフィスや商業施設などの公共トイレにこもり、メールやゲームをして自分の部屋のように振る舞う会社員や学生が目立っている」との記事が載っていました。
確かに昔からトイレは「思索の場」として利用されてきたところがありますが、公衆トイレの清潔化・個室化を背景に、30分から1時間もこもる人が続出しており(昼寝をする人もいるそうです!)、デパート、大型書店、大型電気店、オフィスビルなどのトイレには、「トイレ以外の目的での利用を禁止します」といった注意書きが張り出されているようです。
それにしても抗菌グッズがはやったり、公衆トイレでくつろいだり…ものすごい世の中ですよね。
細菌類を極端に排除したり、逆に全く無頓着になったりするのはやはり危険なことであり、だからこそ上述の「9か条」のようなことを通して、細菌類と上手につき合う手段を身につけていかなければならいと思うのですが、現在の社会風潮を考えると、この「9か条」が一般的に受け入れらにはまだまだ時間がかかるような気がします。(私の周りには無菌主義者も潔癖主義者もいませんが、「私、免疫力を高めるために手や顔をあまり洗わないようにしてるの」ー「さすが!私もやってみようかな〜。」といった会話はやはりまだ成立しそうにありません)。
いずれにしても現代は普通に生きることが本当に難しい時代だと思います。
P.S. 山口雅也『生ける屍の死』、柄沢斉『ロンド』、早速チェックしてみます!!
本がらみでもう一つ申し上げれば、セーラー出版から出ている「きいろとピンク」という絵本は、完全に子供向けなのだろうと思いますが、めちゃくちゃ「深い」ですよ。この内容で次回「かたちの会」が開催できるかもしれません。それくらい「深い」です。これをどのように子供達に読み聞かせているのだろう????
ところでミステリーについて、長編なら上に挙げた二本、短編集なら連城三紀彦「戻り側心中」ですかね。最近読んで良かったのは山田風太郎「明治断頭台」。壮絶な最後は胸に込み上げるものがありました。
癌になりやすい生活習慣の代表と言えば『喫煙』が思い付きますが、去年から老人施設で働き始めました。そこには70代〜様々な方が沢山いらっしゃいます。そんな中100歳超えた元気なお婆ちゃん、98歳のお爺ちゃんその他結構います元ヘビースモーカ達。皆さん若い時に禁煙に成功したのではないようです。
その反面知り合いに余りお酒を呑まない人が肝臓を悪くして入院した方もいます。
普通に店頭で販売している抗菌グッズや除菌グッズを見ると体を守る菌も殺しちゃうのになぁ…と思ってしまいます。
私の本の一番は手塚治虫の『火の鳥』シリーズです。未完なのが惜しまれる…
ずっと以前、日本の最高齢だった徳之島の泉重千代さんが一日に何箱も煙草を吸うことが話題に上っていました。あれだけ煙草を吸っても長寿なのだから・・・って議論がなされていたのですが、この議論は全く科学的ではないですよね。同様に、一部の愛煙家は「タバコの害は疫学的な証明だけであって病理学的には証明できていない」ことを論拠に議論をしますが、これも不毛です。大切なのは正確なデータを収集し、それを科学的に議論することにつきると思います。それから、疫学的な統計データはむしろ重要であると個人的には思います。都合の良いデータだけを恣意的に用いられることに注意は必要ですが、中立があり得ないようにデータを純粋に科学的に解析することもなかなか難しいですよね。どうしても、何らかの偏りが加わるのは仕方がないことなのかもしれません。でも、そこに主義主張や感情が入らないようにだけは気をつけないと本質を見誤るように思います。とはいうものの、科学もしょせんは主観のなせる業ですから感情を入れないことは難しい・・・。