ご説明いたします

昨日一昨日の話にも底辺で通じることだと思うのだが、

「ご説明いたします」という言葉があまり好きではない。

もちろん状況にもよるので一般論化はできない。

ただ、この言葉が発せられる場合の多くが「説明」=「絶対的なもの」である。

「説明してやるから黙って聞け!」「聞き終えたら納得して帰れ!!」

少なくとも話し手はそう思っているように感じられる。

 

たとえば昨日のJRの話で、みどりの窓口で話していると駅の苦情担当係が現れた。

もうこの時点で私はクレーマーと認識されていたのだろう。

その方は物腰は柔らかだが、こちらの話は頑として聞く耳を持たなかった。

はなから苦情担当とはそういう役柄なのだろう。

その時の言葉が「ご説明いたします」だ。

こちらが何を言ってもそれはいっさい聞かず、

自分たちの考えだけを何度も「ご説明」くださる。

 

たとえば東電などの対応もそうだったと記憶している。

あるいは悪い意味での「お役所対応」もそうだろう。

「ご説明」という言葉を使った時点で思考は停止している。

要するに「議論の余地はないから黙って聞け!」だろう。

あるいは「これ以外に答えはないのだからあきらめろ」かもしれない。

 

自分たちだけに通じる議論で相手の議論を封じ込める。

議論を封じるのは簡単だ。

聞かなきゃ良いだけの話である。

それを実戦する、かつ耳障りのよい言葉が「ご説明」なのだろう。

自分の意見を説明し、相手の意見にも説明の機会を与えるなら構わないのだが、

多くの場合の「ご説明」には自分の立場のみを「説明」するだけで済ませる傾向がある。

まあ、この場合の特徴は、説明と称して自分の意見の主張は何度でもするが、

相手の反論には論理的には一切答えないことだろう。

相手の反論にも「自説の説明」で応じる。

これでは議論にはならない。

 

たぶん、私が「納得できない」ことはこの辺りにあるのだろうと思う。