永遠の・・・2?

「永遠の0」を読んで感じたことはたくさんある。

先日も百田尚樹さんの心情を勝手におもんばかって書いた。

もちろん百田さんの本当の気持ちとはかけ離れているかもしれない。

もうひとつ、私が勝手に感じることは、

物語の底に流れる怒りだろうと思う。

これはかなり以前に「ノモンハンの夏」を読んだ時の感覚に近い。

 

確かな文章力も必要なのだろうが、

芯の強さが書かせた物語だと感じる。

人の心を動かす物語を書くには小手先の文章力ではない何かが必要なのだろう。

 

永遠の0の中には若い人に聞かせたい言葉がたくさんある。

純粋にその言葉に感動を受けるものもあるだろうが、

その言葉を受け入れられる器がなければただの文字の並びに過ぎない。

ひとつ書き出してみよう。

文庫版357ページの終わりから358ページに書けて書かれている、

「戦後の民主主義と繁栄は、日本人から「道徳」を奪った—と思う」という文章は、

私には心の底から納得できる。

それはこのブログでもたくさん書いてきた。

しかし、おそらく「民主主義こそが理想である」と教えられた若い人たちには

その真の意味は通じないのだろうと思う。

文面は理解できるけど百田さんの言いたい本当のことは分からない、そんな気がするのだ。

でも、百田さんのような小説家がいることで

一人でもその言葉に触れ、その意味を理解できることは素晴らしい。

それぞれが持っている背景や物差しが違うのだからおなじ理解ができないのも当然だと思うが、

それにしてもこのような「言葉」を知ることが大切だろうと思うのだ。

まあ常々「日本人の美徳」を考えている橋本が過剰に反応しただけで、

百田さんにはそれほどの意味はなかったのかもしれないのだが・・・・・。