(笑)

文中に出てくる(笑)が嫌いだ。

インタビュー記事などでその場の雰囲気を醸し出す使い方は気にならないが、

メールなど、1人が一人称で自分のことを書いている時に

(笑)が出てくると意味も無く不愉快な気分になる。

この不愉快とは「無礼だっ!!!」って感覚に近いだろう。

 

で、なぜこう思うのか考えてみたのだが、

自分勝手な説明はいくつか付けられるのだが

一般論としてはなんとも言えない。

偉そうな書き方をすれば軽薄にしか見えないということだろう。

 

(笑)には様々なニュアンスが含まれると思う。

単純に面白いことを書いている状況を(笑)で表現することもあろうし、

悪い方向に誤解されかねない文章を誤解されないように(笑)で意味を付加することもあるだろう。

普通の日本語の文章にしちゃうと語尾の上げ下げや表情などニュアンスが入らないから、

冗談のつもりの文章が相手の精神状態によっては嫌味に読めたりする。

あるいは説教っぽく感じられたりする場合もあるだろう。

メールのやり取りで小さく関係悪化するなんてことは日常に普通にあることだ。

まあそこまで言わなくても文章で伝えられると無味乾燥で

なんだか冷たいという誤解を生じさせるのかもしれない。

 

経験談だが、私はメールの文末に「お返事には及びません」と書くことが多い。

それは、文字通り「お返事をちょうだいするほどのことではありません」で

相手に何かを強いることを避けたいというある種「遠慮」の感覚なのだが、

相手によっては「橋本が怒っている」と感じることもあるようだ。

こちらにはそんなつもりは毛頭ないのだが、

「はいはい、わ・か・り・ま・し・た。もう返事なんかいらんわ!!!」って受け取られるようだ。

だから、あわてて相手から返信が来る。

「どうしたの?怒ってる???」なんて感じに。

相手のことをおもんばかって書いたはずの言葉なのに

全く逆の効果を得てしまう。

まあ、こんな誤解を避ける目的で(笑)は使われているのかもしれない。

 

しかし、(笑)をみると軽薄に感じてしまうのだ。

(笑)ひとつで済ませる前に言葉を尽くせば相手に伝わると感じられるからだが、

おそらく最近の若い人は、

「言葉を尽くさなくても(笑)で済む」と感じているのかもしれない。

 

こう考えていると、私も疑問符「?」を用いる。

これはもちろん日本語には無い記号だ。

上に書いたように日本語では語尾の上げ下げだけで疑問形になることがある。

これが文章ではなかなか表現しづらい。

いや、表現できないはずは無い。

私の作文能力が及んでいないだけのことである。

だから、まさに「誤解を避けるために」疑問符を意識しておく。

あるいは感嘆符「!」もしばしば用いる。

こんなことをしている以上は(笑)を批判できないのだ。