ヒドラ・プラナリア
ワムシの話に続いて夢想しています。
ヒドラやプラナリアも無性生殖で増えることが多いはずです。
しかもこいつらの場合は再生して増えるので卵からかたちを作る手順を踏みません。
ということは発生拘束を受けないとも思えます。
プラナリアやヒドラは別個体の移植が可能だし、
実際にひとつの個体のなかで個々の細胞はかなり遺伝的に異なっているという話もあります。
だから、ワムシと違って厳密な意味でのクローン個体でもない。
というか、すべての細胞のゲノム情報が異なっていても構わないだろうとさえ思います。
以前わたしがヒドラで遊んでいた時にも、
野外で採集してきたヒドラの中で「大きいもの」「再生のできないもの」など同士を
切ったり貼ったりして再生機構の研究に用いていたことがありますが、
どの移植も普通に成功します。
たぶんヒドラの細胞として最低限の約束が守られさえすれば
ヘテロな細胞集団であっても構わないということなのでしょう。
ヒドラという組織の中に別々の個人が働いているという発想です。
さて、ここでも「ではどのようにして種を維持できるのか?」という疑問が生じます。
もちろんヒドラやプラナリアは有性生殖もできますので
定期的に遺伝子を混ぜ合わせることで生殖隔離を防いでいるのかも知れませんが、
わたしはここでも発生拘束を考えてみたい。
すなわち、上で書いた「最低限のヒドラ(プラナリア)としての約束」です。
プラナリアは常時再生を繰り返しています。
普通に生活しているように見えるプラナリアも
その生活の中で常に再生しているということです。
たとえば頭を作るのに重要な遺伝子の働きを、すでに大人になっているプラナリアで抑制すると、
大人だからすでに頭を持っているにもかかわらず、
頭の構造が消失していくことになるそうです。
すなわち、常にそこにあると思われている頭は常時壊されては作られているということ。
ということは、少なくとも変異を有する細胞が生き残るためには
この再生機構に組み込まれなければならないということになるのかも知れません。
ただ、ここで忘れてはならないのは、
新たなかたちを作る細胞は一部の幹細胞ということなので、
最終的には,どんな変異を持った細胞もこの幹細胞のクローンに置き換わるということなのかも知れません。
そして、幹細胞に当たるものがプラナリアの発生(再生)拘束に則れば種が維持されるということかもしれない。
なんにしても現存する生きものがすべてなので、
そこから何かが見えるし、何かを見なければならないのでしょう。
種とか進化とかって何となく有性生殖する生きものを考えているだけでした。
世代時間なんてのもきわめて重要だと思いながらも大して気にも止めず。
この辺りはどのように整理されているのでしょう?
部外者ですが(部外者だから?)気になります。
なお、昨日のコラム(ワムシ)も今日のも、
何も考えず、何を調べることもせずに書きなぐった妄想です。
記述に間違いがあればごめんなさい。