時間・空間・ゲノム・言語

ゲノムの情報が時間軸を伴って活発に活動している状況を、

何となく想像し難いのは私だけだろうか?

発生現象は躍動的に生きもののかたちを作るときであり、

ゲノムと時間の関係を見ているような気もするが、

でも、発生現象を見ながらゲノムを想定しているかと問われれば、

少なくとも私の答えは「いいえ」である。

それは、一義的にゲノムを塩基配列と考えているからであり、

かなり具体的な「色」としてしか見ていないからではなかろうか?

色即是空である。

色を見ればそれは空に帰する。

では、ゲノムのかたちはどこにあるのか?

これがわれわれの求める答えであり、

おいそれとこんなところで正解を出せるとは思えないが、

情報に帰してしまえば、体系としての性格が消滅しそうであるから、

動的なかたちとしてのゲノムを見なければならないだろう。

それはとりもなおさず、刹那的に脳に形づくられる論理のように、

ある瞬間だけに出現するゲノム情報の時間軸を越えた動的なかたちを追うことであり、

それは間違いなく発生現象にわれわれは日頃から見ていることなのだろう。

しかし、それが見えない。

いや、見えているが気付かないのである。

先は長いなあ。