非常停止ボタン

私が利用しているJR線の電車内には「非常停止ボタン」なるものがある。

急病人や痴漢・喧嘩など緊急時に押せば走行中の電車を止められるものだ。

で、ふと思うことがある。

こと急病人に関しては、走行中に押すことが正しいかどうか疑問なのだ。

だって非常停止ボタンが押されれば、

走行中であればとにかくその場に緊急に停止しなきゃならないわけで、

そこで、車掌がその車両まで行って状況を確認し、

急病人だと理解した上でまた車掌室まで戻ってから

ふたたび電車を動かすことになりますよね。

特急列車ならいざ知らず、

普通の在来線ならたぶん最長でも10分も待たずに次の駅に停車します。

そこで病人の処置を申し出る方が結果として絶対に早いような気がするわけです。

 

同様の(に感じる)ことは日常でもあります。

例えば信号のない横断歩道で車が通過するのを待っているとします。

何台か通過して、あと一台で渡れるって時に、

最後の車がいきなり速度を落とし、「早く通り過ぎて欲しい」と思っている時に、

横断歩道前で停車して歩行者(私)を渡らせてくれるのです。

微笑みながら「どうぞ」って態度を示されると、

こちらも頭を下げてからわたります。

しかし、速度を落とさずにそのまま走り去ってもらえる方が

こちらとしてはよほど早く渡ることができたわけで、

こういう運転手って、申し訳ないのですが、

運転しながら周囲の状況が目に入っていないのだろうなと思います。

なまじ、一般に言われる「安全運転」をしているように見えるだけに、

より危険な運転をしていないかな?などと穿った見方すらしてしまいます。

 

何も「効率優先」が正しいと言っているのではありません。

あくまでもその時に一番賢明な判断をできるかどうかと言うことです。

ただ、これは絶対的な是非があるわけではないとも思いますので、

まあ、一般論にはしにくいと言うことです。