弾正台
最近の東京地検特捜部vs民主党幹事長の話をみると
明治維新直後の「弾正台」を思い出す。
結局、弾正台は期待通りには機能しなかったようだが
その精神は良しとすべきであろう。
と思いながら、以前に読んだ小説を読み返してみた。
山田風太郎の「明治断頭台」である。
山田風太郎が忍法小説に移る前の「探偵小説作家」だった頃の作品である。
以前にも書いたように、私の好みのミステリはこれとは異なる。
しかし、ミステリとしての好みを差し引いても
この小説は第一級品だと個人的に感じる。
なんと言ってもプロットが素晴らしいし、
作品の奥に流れている哲学が好きなのである。
物語の最後には冷血な私でさえ感動を覚えたものだ。
最近は、欧米の古いミステリを読む機会が多いが
このような、古き良き日本の臭いを感じる文体に触れるのもいいものだと
あらためて思った次第である。
しかし、東京地検特捜部から山田風太郎につながるなんて我ながら変だとは思う。
ちなみに最近読んでいる作家はレオ=ブルース。
最近の翻訳なので日本語もある程度読みやすいし
この作家のユーモアの感覚は割と好みです。