研究者とは・・・?
科学の定義・・・定義とまで言わなくても、
研究者が目指している、あるいは憧れている科学の方法論ってあると思う。
ただ、これは研究者によって全く異なるだろう。
最先端と呼ばれる分野でしのぎを削り、競争に打ち勝つことを良しとする研究者がいるし、
時代遅れと言われようが己の疑問をコツコツと解いていくことに生き甲斐を感じる科学者もいる。
どれが良いとか悪いとか、そのような次元の話ではない。
ところで、5月の終わりに新潟で行なわれた発生生物学会で
遺伝研の清水さんの講演をお聞きになられた方はいらっしゃるであろうか?
19世紀から信じられて来たクラゲの発生に関して
全く異なる(正反対の)モデルを提唱した発表であった。
この講演の内容に関して彼自身は全く実験をしていない。
古い文献に当たって結果を収集し、
論理的に矛盾がないように熟考を重ねて新たなモデルを提唱したのである。
結果を一つ一つ考察し、組み立てていく論証の過程はとてもスリリングであり
あたかも傑作の推理小説を読むような快感を与えてくれた。
「これぞ科学だ!」と私は会場でうなってしまった。
私も研究者としてこのような科学を目指して日々がんばっているのだが、
なかなか自分自身では経験することが難しい。
まだまだ精進の日々である。
かたちまつり2009のゲストとして清水さんをお招き致しております。
ご期待ください。