名もなき者
ボブ=ディランの映画を観てきた。”A COMPLETE UNKNOWN”というタイトルで、うろ覚えでunknownだけ覚えていたから、「total unknownだったっけ?totallyかな?」みたいに思って観に行ったら”complete”だった。なるほど。で、映画を観てあまりピンと来なかったけど、どういう意味なんだろう?
映画は素直に面白かった。ボブ=ディランを知らないので、この物語がどれだけ真実を表しているのかわからないけれど、「へえ、ボブ=ディランってこういう感じの人なのか」と興味深く観た。私は小学校低学年〜中学1年くらいの時から洋楽に興味が移ったのだが、残念ながらボブ=ディランには触れることがなかった。The Bandの”The last waltz(なんと、あのマーティン=スコセッシの監督作品)”の最後に出てきたのを知っているくらいだ。私の興味は他人と比べて変わった方向へと流れていったようで、大きくなって洋楽趣味の友人と話しても私とは被らないことが多く、ストーンズを知らないし、ツェッペリンもビートルズも知らない。クラプトンなんて「誰?」って感じだ。まあ、talking headsとかTom WaitsとかLou Reedなど、おそらく多くの人が耳馴染みがないと感じるアーティストを聞いていたので仕方ないのかもしれない。
数年前にQueenのフレディ=マーキュリーをモチーフにした映画が上映されたが、その時に「このニッチはあるぞ」と製作陣が思ったのだろうか。もしそうなら他にも取り上げて欲しいアーティストはいる。ただ、個人的に思い入れのある人はそっとしておいて欲しいので、ちょっと変わったところの人、特に一般的には有名だが個人的に知らない感じの人を取り上げて欲しいと思う。
ちょっと感じたのは、英語をもっとわかるようになって観たかったなってこと。私が理解できる範囲でも、字幕と実際のセリフのニュアンスがかなり違っていたから、もっとわかればもっと微妙なニュアンスが味わえただろうな。ただ、日本人とアメリカ人の風俗習慣が異なるので、限られた文字数で説明することはできないし、あれが限界だろうとは思うから、そこは問題視していない。ただ、このニュアンスを味わえたらもっと楽しめただろうなと思う。