薩摩白波
今日で寒さもひと段落、かな?
「焼酎は芋だ」という人は少なくないのだが、20年以上前には、そんな人はほとんどいなかった、と思う。というよりも、芋焼酎を置いている飲食店はそれほど多くなかった。十三の大衆居酒屋で「芋のお湯割り」を頼んだら、「臭いでぇ」と店員から言われたこともある。それが、あるとき意味不明の「芋焼酎ブーム」が沸き起こった。4合ビン一本1万円を超す幻の芋焼酎が出現し始めた。麦焼酎しか置いていなかった梅田の割烹にも芋焼酎が登場した。まあ、よくわからないが市民権を得たわけだ。それはそれでいい。ただ、ちょっと思うところはある。芋焼酎の魅力は「あの臭い」だと思う。それが限りなく薄い「焼酎」が多くなってきた。「幻の」と呼ばれるものをほとんど口にしたことはないが、数回は飲んだことがあるが、マイルドというか、遠くに芋の香りが霞んで見える程度の臭いしか感じないのだ。
そこで私は「薩摩白波」を推薦したい。これはしっかり「芋」である。2リットルの紙パックを家には常備している。今のように寒いときには温かいお茶で割ってのむ。焼酎は良いお茶で割るとうまい。夏場などは水出し玉露で割ると最高だ。冬は煎茶でも良いが、濃く入れた番茶も捨てがたい。これと煎餅があれば他には何もいらない。下手に朝から飲み始めたら一日が終わる。そんな日があっても良いだろう。