おでん

先週末にスーパーに行ったとき綺麗なスジ肉を見つけた。「ウデスジ」と書いてあったが、肉感ゼロの真っ白なものだ。たぶん腱だけを詰めたものだったのだろう。これは少し火を入れただけだと誇張ではなく石みたいにカチコチに硬くてとても食べられたものではないが、出汁でじっくり煮込んだらトロットロに柔らかくなる。味醂でちょっと甘めにした出汁で煮込めば最高だ。関東でおでんを食べるときに「スジ肉」を注文したら肉肉しいものが提供されると聞くが、関西でおでんのスジ肉を食べると飴色の肉(?)が串に刺さって提供される。それの極端なヤツである。というわけで、3パック(600gくらいかな?)を買って帰った。

煮込んだスジ肉はもちろん最高に美味いのだが、その出汁がものすごく良い味わいになる。スジ肉のコラーゲンが溶け出してとろみがつくし、肉(純粋コラーゲン)の出汁が出て言葉で表せない。もちろん冷めたら煮凍りになる。朝、鍋の蓋を開けたらセラチンでプルンプルンである。いつもはこの出汁を醤油と味醂で少し濃いめに仕立て直してすき焼きの割下にする。カツオ・昆布・干し椎茸の出汁に牛すじの出汁が絡んでとてつもなく美味い割下になる。

今回は、この出汁をもとにおでんを作った。この出汁を、白だしで薄めてコンニャク・厚揚げ・大根・ゆで卵を入れて煮込んだ。練り物も入れるのだが、練り物を煮込んだら味が出汁の中に逃げて練り物自体の味が抜けてしまうので、食べる直前に温める程度にする。練り物は魚なので、これを一緒に煮込むと出汁にコクが加わるので、煮込むかどうかの判断が難しいのだが、今回は練り物を食する方を選択した。

いまから温めて美味しいおでんを堪能しよう。芋焼酎を開けるかどうか・・・さすがにこの時間から焼酎を飲むと一日が消え去るので考えどころだな。なんとか午後までは酒を体に入れない生活をしたいなと、今は、思っている。