体重増加

ちょっと前の話になるのだが、オリンピックのレスリングで100グラムの体重超過によって失格とされた選手の弁護人が不思議な主張をされているとの報道があった。

曰く「100グラムの超過は夏場に人体が膨張することを考えれば簡単に起こり得る。それは生存のために人体がより多くの水分を保持するようにするからだ。すでに科学的に証明されている」

曰く「1日に3回試合も行ったため、筋肉量が増加したためとも考えられる」

これについて考えてみたい。

報道によれば前日の夜に2キロの体重超過があったという。こと質量だけを見れば摂取量以上に増えることはあり得ない。だから、前日(?)の試合終了後に2キロ以上の飲食をしたことは間違いない。これは「膨張」や「筋量の増加」とはまったく無関係の話だろう。試合後に食事をとらなければ、たとえ体が膨張しようが筋肉量が増えようが体重が増えることはあり得ないと思う。実際に、過酷な減量に取り組むボクサーなどは、減量の最後の方ではカロリーではなく重さで食べ物を考えるという。だから、こんにゃくとか野菜とかではなく一見太りそうなショートケーキなどを食べたりするそうだ。要するに2キロ増えたということは、2キロ分の「何か」を摂取したのである。体が膨れようが筋肉が増えようが体重には関係ない。

翌朝に計量しなければならないことはわかっていることだし、規定の体重に落とさなければならないことも事前にわかっていることだろう。だったら、翌日の計量前に落とせる範囲で飲食しなければならない。それは「常識」だろうし、過去に何度も経験してきことだとも思う。そして、すべての選手が平等に同じ条件下にあることも忘れてはならない。また、もし上記主張を正当とするのであれば、全ての選手にも当てはめなければ、それこそ不平等であるし、それ以前に体重制そのものが成立しなくなるだろう。

ここで、体重制の意義やレスリング競技の問題を議論するつもりはない。ただ、上記弁護士の主張をよんで、「科学的にあり得ない」と感じたので反応してしまっただけのこと。

そうそう、この標題から個人的なことを書けば、体重が高止まりしています。どうしようかな。