理解の段階 その2

擬態という生命現象があります(擬態を生命現象と言って良いのかわかりませんが、そこはお許しください)。形態を葉っぱや花に似せたり、蝶の翅に目玉のような紋様を描いたりと、たくさんの擬態が知られています。擬態について普通に考えたら、何かに似せることで捕食されにくくなったり、隠れて獲物をとらえやすくなったりするという説明がしっくりきます。少し知恵がついてくるとこのような説明に疑問が生じてきます。人間の目には似ているように感じられても、昆虫の眼ではまったく違って見えるというのがその理由です。でも、ではなぜこのような形態が進化してきたのかと考えたら、やはり最初の説明に戻ることとなります。

知識を得ることによって直線的に進歩しているように普通は感じられますが、個人的にはバネのような、あるいは螺旋階段のような渦巻き状に進歩しているのではないかと思っています。知識を得ることによって思考は深くなります。しかし、俯瞰して考えることを知識が邪魔をする可能性もありそうです。さまざまな知識をどのように関連づけるのかによって見え方は異なります。その知識だけを見るとゲシュタルト崩壊してしまうでしょう。この辺りに科学の本質が隠されているというのは穿ち過ぎでしょうか??