今日で引退
本日をもちまして、生命誌研究館の主任研究員と大阪大学大学院の招聘教授の職を辞することとなりました。概して楽しい研究生活でした。皆様の後押しがなければもっと薄い研究に終わっただろうと思っていますので、これまで出会った皆さまに感謝して研究者を引退させていただきます。
大々的に皆様に送られるのも性格的に受け入れられないので、誰も知らないままそ〜っと消えます。数ヶ月した頃に「そういえば橋本はどこに行った?」って誰かがふと思い出してくれるくらいで十分で、なんだったら完全に忘れられても構いません。
とはいうものの、まだ研究や学校教育には関わらせていきたいと思っているので、どこかで誰かとは繋がっていくのでしょう。生命誌研究館のメールは本日をもって使用不可となりますので、ご連絡はこのHPからお願いいたします。
退職おめでとうございます。
わたしもスティングが好きです。
映画の詐欺師ものが好きです。
自分の先入観・誤解に気づかせてもらえるからです。
橋本先生の研究も同じ味があります。
だましというのではなく、実験データに基づいて先入観をひっくり返すという点でです。
論理的思考という刺激をいただいております。
まずは祝意と感謝とさせていただきます。
ありがとうございます。
研究で気をつけていることは「現象を大切にする」です。この欄でも書き続けておりますが、進化の淘汰圧は現象にかかるのであって(分子)機構や遺伝子・ゲノムにかかるわけではないということ。そして、その現象はなんらかの意味を持つということです。意味を持つからこそ淘汰圧の対象になるわけで、その意味を知りたいと思い研究を続けてきました。
結果として「先入観をひっくり返す」ような成果をいくつか出すことができましたが、これらは過去に一緒に研究をした学生さんたちの発想によるところが大きいです。個人的には、橋本と学生さんとの共同作業によって成し遂げられたと思っています。だから、どちらが欠けてもこの成果は得られなかったのではないかと思っています。
これから訪れる「出会い」も大切にして残りの人生を歩んでいきたいと思っています。